現役プロの妹も“援軍”として帯同 7度目のプロテストに挑む29歳の合言葉「緊張は敵ではない」
イチオシスト
<JLPGA最終プロテスト 2日目◇5日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部 (岡山県)◇6464ヤード・パー72>
東北福祉大を卒業し、今年が7度目のプロテスト挑戦。「もう少し伸ばしたかったけど、ショットが(チャンスに)つくところが少なかった」。29歳の髙久ゆうなは、そう言って少しばかり苦い表情も浮かべるが、トータル1アンダー・19位タイと合格圏内で折り返した。
初日は2アンダーの7位発進。2日目は「73」と1つ落とすことになったが、「このゴルフでこの位置ならいいですかね」と前を向く。慌てず騒がず。今年、合格するために、新たに取り組んできたこともある。それがメンタル面の強化だ。
今年8月から初めてメンタルトレーナーに師事し、自らの内面を見直してきた。「テストにつながればという気持ちもありつつ、人間性も磨かれそうだなと思いながら。メンタルについてちゃんと勉強してこなかったから、何がよくて、何が悪いかもはっきりしなかった。今は“これはいいんだよ”みたいなことを明確にしてもらえるので、そこに集中できています」。試合中の心理面の動き、その理解を深めている。
もともと「緊張しやすい」タイプだという。今回が最終プロテストは4度目になるが、これまでは「マイナスに思っていた」と、それが過度なプレッシャーにつながり、この試練の場で足かせになっていた。ただ、トレーニングを開始し、今は別のとらえ方ができている。「緊張やプレッシャーを敵だと思わないように。緊張はめちゃくちゃするけど、それを嫌だと思わず挑戦できています」。これは大きな変化だ。
そして今回は心強い“援軍”も支えになっている。普段はトレーナーと、ティーチングプロの姉・あずさとともに試合期間を過ごしているが、今回は父に加え、「サプライズ」で、21年のプロテストに合格し、現在はツアープロとして活躍する妹・みなみが岡山に駆けつけた。「体制を変えて、今回はいろいろなことに挑戦しつつ、やっています」。家族一丸となり、今年のプロテストも戦っている。
ここまで来たら、あとはやるだけ。その“緊張感”すらも楽しむつもり。「あす以降も変わらないように。一打一打に集中して自分のプレーができれば」。姉妹そろって同じ舞台で戦うことを目指し、4度目の試練を乗り越えていく。(文・間宮輝憲)
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