一打に泣いた2年前のプロテスト 同じ地でリベンジ期す25歳・山本彩乃「嫌な気持ちも…半分」
イチオシスト
<マイナビカップ 事前情報◇29日◇ザ・クラシックゴルフ倶楽部 キング・プリンスコース(福岡)◇6378ヤード・パー72>
2年前。JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)で受けた最終プロテストは、合格まであと一打及ばずに涙をのむことになった。「コースは知っていると思うけど、逆に嫌なイメージもあると思う。…うーん、嫌な気持ち半分という感じですね」。
25歳の山本彩乃は、そんな苦い思い出を乗り越えるため、来週、再びJFE瀬戸内海で開催される最終プロテストへ向かっていく。
なかなか忘れることができない“苦味”だ。初めてプロテストを受けた2019年から、これまで最終に進んだのは、3度目の挑戦だった21年と、そして上記した23年の2回。21年は4打及ばなかったため、その2年前が最も合格に近づいた年でもある。
そこで脳裏に残っているのは「もったいないボギー」の数々。この年は4日間でバーディを16個奪いながら、ボギーも12個を記録した。「一打差で落ちて、『あのボギーが…』と思い返す場面がたくさんありました。仕方ないボギーというのは、ないかもしれない。でも今年は悔いがないように」。そう話すと、「そろそろ通りたい。もう受けたくない」とポツリとこぼした。
JFE瀬戸内海は、海の近くにある“リンクス風”というのが特徴のコース。ただ、23年は風もあまり吹かず、トップの清本美波がトータル17アンダーを出すなど、5位タイまでが二ケタスコアという伸ばし合いになった。だが今年は「さすがに半分(2日間)くらいは風が吹くと思っている。そうなると耐えるゴルフ。アプローチやパターが大事になってくると思う」と読んでいる。
「ショットの調子が悪くてあまりよくない」という現状も漏らすが、そのなかでは「アプローチが上達して、自信を持てるようになった」という“ケガの功名”もあった。「JFEでもグリーンを外しても、寄せられるように頑張ります」と力がこもる部分だ。
さらに、その自信をギアも後押しする。山本はもう「5~6年」もの長い間、キャロウェイのボール『クロムツアーX』を使用しているのだが、これは「パター、アプローチの時に軟らかいものより、硬めの打感が好きなのでXにしました」と、“寄せ”を意識して選んだもの。「打感が“カツン”じゃないけど、音がするほうが好き。パターの転がしやすさもあって決めました」。まさに予想する展開にハマるボールと言える。
今週は5月以来、今季3試合目となるマイナビネクストヒロインツアーに出場。地元・山口県からほど近い場所で、“最終調整”を行うことができる。「ここ(ザ・クラシック)もグリーンが大きくて、アンジュレーションがある。ティショットも広いところが多いし、(JFEと)雰囲気が大きく違うということがない。テスト前に、パターとかでもいい練習になりますね」。原英莉花が優勝した20年大会に続き、28年には「日本女子オープン」が行われることが決まっている会場で手応えを残すプレーができれば、そのまま来週への自信につながるはずだ。
「まだテストまで時間はあるので、アプローチ、パターを強化しつつ、ショットも崩さないように。風が吹くと自分のスイングも無茶苦茶になってしまう。その辺り、うまいことやっていければ」。いざ、リベンジへ。「自信を持っていくしかない」。頭に残っているイメージを、今年は最高の思い出へと塗り替えたい。(文・間宮輝憲)
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