松山英樹との念願ラウンドが実現 スコアは比嘉一貴に軍配「少しは近づけたかな(笑)」
<ベイカレントクラシック Presented by LEXUS 最終日◇12日◇横浜CC(日本)◇7315ヤード・パー71>
大会2日目にハーフ「28」を叩き出した比嘉一貴が、最終日も魅せた。圧巻の5連続バーディを含む8バーディ・3ボギーの「66」をマークし、トータル9アンダー・18位タイで米ツアーの戦いを締めくくった。
「失うものもないし、行かないといけない」。2日目の前半で6連続を含む8バーディを奪った好イメージのまま、上位浮上を狙ってひたすらピンを狙った。
4番パー5でバーディを奪うと、一気にアクセル全開。5番パー4ではフェアウェイセンターから3メートルにつけ、6番パー5は寄せワンでバーディを奪った。7番パー3ではグリーン右手前のバンカーからチップインを決め、8番でもうひとつ重ねた。2日目の再現ともいえる爆発力を見せつけた。
後半はイーブンパーにとどまったが、16番パー3、17番パー4での連続ボギーも「攻めた結果」と表情はすがすがしい。
何より最終日は、東北福祉大学の先輩・松山英樹とのラウンド。比嘉にとってはこれ以上ない“ご褒美”だった。日本ツアーとアジアンツアーを転戦する比嘉は、先週もインドネシアでプレーし、今週月曜に帰国したばかり。「松山さんと回れるなら」と迷いなく今大会への出場を決めた。
タイミングが合わず練習ラウンドをともにすることはできなかったが、本戦で競演が実現した。試合で同組となるのは、松山が優勝した2016年「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来。当時アマチュアだった比嘉は「あの時は『どうやったら勝てるの』って思いながらゴルフをしていた」と振り返る。
この日は松山が「67」、比嘉が「66」。スコアで“先輩超え”を果たし、「きょう勝てたので、少しは近づけたんじゃないかなって(笑)」と笑った比嘉の表情は、どこか誇らしげだった。「今までの自分の練習は間違っていなかった」と確かな自信も手に入れた。
松山とのラウンドは大ギャラリーを引き連れた。「ギャラリーは松山さんを見ると思っていた。僕は淡々とやればいいやと思っていたんですけど、(自分のプレーにも)大歓声が起こってくれて。ちゃんと僕のことを見てくれているんだなって」。多くのギャラリーの前で好プレーを見せられたことが何よりもうれしい。
松山も後輩の成長をたたえる。「一貴もアジアとかヨーロッパで苦しんできたと思う。ここにきて2連勝していますし、調子が上がってきたのはすごくうれしい。きょうは負けたので…ガッツポーズが出たのはちょっとイラっとしましたけど(笑)」と、うれしそうに話した。
比嘉は今週、公式戦の「日本オープン」に出場し、来週はアジアンツアー参戦のためフィリピンへ飛ぶ。両ツアーのランキングで上位を走る“小さな巨人”が、日本開催の米ツアーでしっかりと弾みをつけた。(文・齊藤啓介)
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