“0.5度の差”が生む転がりも徹底管理 河本結、今季2勝目への“流儀”「初日のドライバーも最後のパットも変わらない」
<スタンレーレディスホンダ 2日目◇11日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>
違うのはロフトだけ。初日とはパターを替えて臨んだ河本結が「69」とスコアを伸ばし、トータル10アンダーで単独首位に立った。多くの選手が雨と厳しいピンポジションに苦しんだが「今週は塩谷(育代)さんのセッティングなんで、もっとヤバいのを想像してました」と、どこ吹く風。連日の60台で今季2勝目に王手をかけた。
スタート直前の判断が好スコアにつながった。「練習グリーンで芝が結構立ってて、軟らかいのでスパイク跡がついていたんですよ。なので、バランスも、ライ角も全く同じでロフトだけ寝ているパターに替えました。終盤はそれが生きましたね」。初日はロフト3.5度、この日のパターは4度。出だしのわずかなキャリーの違いが、スムーズな転がりを生んだ。普段から会場に持ち込むのは基本的にこの2本のパター。極端に重いグリーンではロフト4度のパターを4.5度に調整して使用することもあるという。
スタート間もない2番パー4では、残り150ヤードからの2打目がカップを直撃。ボールはグリーンを飛び出し、右ラフに転がった。アンラッキーを嘆いても仕方がない場面だが、河本はこれをプラスにとらえていた。「昨日もカップに当たったんで、2日続けてってすごいなって気持ちの方が勝ちました。長いアイアンでもしっかり距離が合ってる証拠でもあるので」。序盤のうちに雨や寒さによる飛距離の変化にアジャストできていることが確認できたことの方が大きかった。
同組でのプレーを熱望していた同い年の原英莉花、渋野日向子は予選落ち。「休む間もなく日本の試合に出て、時差もあるだろうし、日本を楽しんでほしいですね。日本食とか、温泉とか」。河本自身も過去に米女子ツアーに挑戦。ゴルフだけではなく、環境になじめず撤退となっただけに、海外で奮闘する2人をねぎらった。
最終日は今季の目標に掲げる年間女王に向けて、どうしても必要な今季2勝目がかかるが、あくまで平常心だ。「私は初日のスタートのドライバーも、優勝がかかった2メートルのパットも変わらない重みでプレーしているので、過度に緊張することも、気合を入れることもありません。いつもフラットな感じです。デビューしたころは感情の起伏も激しかったし、ファイターだったんですけど、いろんな本を読んだり、メンタルトレーニングをしているうちにこうなりました」。米ツアー組の参戦で話題には事欠かない今大会だが、主役の座は河本が持っていく。(文・田中宏治)
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