初メジャータイトル獲得の堀琴音、高いトップから打つ最強フェードは右手の小指がポイント【優勝者のスイング】
「日本女子オープン」にて9年越しのメジャー初優勝を飾った堀琴音。ツアーの中でも唯一無二のスイングをする彼女のスイングをプロコーチの南秀樹が解説する。
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現在、フェアウェイキープ率が1位で、ただ一人80%を超えている堀さん。例年に比べればラフが短いセッティングでしたが、メリハリのあるレイアウトで飛ばし屋有利ではないコースでの勝利は、堀さんのショット力が生きたと思います。
以前はドローを打っていて、調子を落とすとクラブが下から入っていたタイプ。現在は持ち球をフェードに変え、クラブを立てて下ろしています。トップが高く、特徴のあるスイングという印象を持たれる方も少なくないと思います。一方で、「あのトップでなければ、あのフェードは打てない」と、私から見れば理にかなっているスイングです。バックスイングはアップライトに上がり、ダウンスイングでプレーンに乗せる、クラブをループさせますが、ダウンスイングでクラブが寝ることはありません。
理由はプレーンにクラブを乗せる動きが上手いから。アウトに上げてインから下ろそうとすると、右ヒジを体に付けて、絞り込むように動かしがちです。しかし、これではクラブが寝てしまいます。
身長が高く、リーチの長いプレーヤーは、右ヒジを絞りやすいのですが、堀さんは体の開きを抑えることでクラブをプレーンに乗せています。体が浮くことなく、下半身に粘りがあり、フォローも低い。インパクトラインが長いので、ボールが曲がらないのです。
アマチュアが真似をするには、右手の小指と左手の人差し指をキュッと強く握るといいでしょう。手元が余計な動きをせずに、クラブをストンと落とせます。また右手のヒラの向きもポイント。ダウンスイングで上を向かないように注意してください。
“イチ”でトップ、“ニイ”で手元を落とし、手元が肩まで降りたら“サン”で一気に振り抜く。リズム良く振るのも、クラブを寝かさないポイントです。
■堀琴音
ほり・ことね/1996年生まれ、徳島県出身。アマチュア時代から活躍し、2014年のプロテストに合格。一時は低迷したものの、21年にツアー初優勝。25年「日本女子オープン」でメジャー初勝利を挙げた。ダイセル所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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