いつも「決められない」あなたへ 人生の決断力を高める“主観的な幸せ”の見つけ方
                
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部屋の片付けや洗濯機の買い替え、人間関係、転職、子どもの進路選択まで……「意思決定」のプロセス“も・じ・せ・か”を実践すると、自分のやりたいことが見えてきて、「決められる」人になる。
※も「問題の明確化」、じ「情報収集」、せ「選択肢の作成」、か「価値判断」。詳細は前編で!
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「決められない」人たちのモヤモヤや悩みを解決するための現代人の教科書「マンガで挑戦 とっちらかった頭の中を整理して決められる人になる」(主婦の友社刊)が、メディアで話題に。
認知行動療法を専門とする臨床心理士として、「時間管理」に悩む人たちのカウンセリングを行ってきた著者・中島美鈴さんに、「意思決定」に必要なものとは何か、話を聞いた。
人生の決断力を高める「価値観」の見つけ方
――本書では、「意思決定がうまくできない」人を、以下の5つのタイプに分類。自分のパターンを認識し、適切な対策を取れば、問題を解決できそうです。
・モヤモヤのまま放置
・情報の海におぼれて混乱
・自分の価値基準があいまい
・決断を先延ばし&保留
・即決しすぎて失敗
「意思決定がうまくできない人の傾向は、それぞれ違います。『問題の明確化』でつまずきやすい方もいれば、『情報収集』でつまずく方もいるので、5つのタイプから自分は“もじせか”のどこでつまずきやすいかを探ってみてください。自分の傾向を知ることで、次の行動を起こしやすくなります。
“もじせか”をうまく活用すると、自分で選択肢を絞り込み、優先順位を間違えることがなくなるので、きっとモヤモヤが軽減されるはずです」
――我々が日頃から“もじせか”を使って意思決定力を訓練する方法はありますか。
「取っかかりは、レストランでメニューを決めることでしょうか。他にも、どのお菓子を買うか、どの歯磨き粉を使うのか“もじせか”で決めてみる。日々の生活の中でも、意思決定力を訓練する方法はたくさんあります。
進路の決定は親や先生の介入もあったでしょうし、大人になればなるほど誰も責任を取ってはくれないので、残りの人生くらいは自分自身でしっかり意思決定していかないと、もったいないなと思います」
――中島さんが「意思決定」することで得たもの、メリットなどがあれば教えてください。
「30歳くらいの時、“臨床心理士としてADHD(注意欠如多動症)の方々の支援を行う”と決めたことで人生の目的が定まりました。それによって、つまらない権威欲のようなものがなくなりましたし、大学を辞めることができました。何より他者から見た何かではない“主観的な幸せ”というものを得ることができました。
日々の生活で言えば、今日はこのToDoをこなして、夜の8時までにご飯もお風呂も洗濯も食器洗いも終わらせて、ソファでアイスを食べることが1日の幸せな時間だと分かったので、仕事も家事も頑張れます。何でもかんでも大切だと思うとつらく感じてしまいますが、自分にとって一番大切なことは何か……それが分かると目標が定まり、仕事や家事などの作業効率も上がると思います」
――「意思決定」によって“主観的な幸せ”を知ることで、人生を有意義なものにしていく。
「日々の生活は、今日何を着るかに始まり、どのタスクからやるか、ランチの際、誰と何を食べるかなど、小さな意思決定の連続です。にも関わらず、就職や転職や結婚といった大きな決断になると、急に自信がなくなってしまうもの。
日常の小さな選択をしていく上で“私はこういう価値観で動いている”ということに気づく。その繰り返しが、いざという時の“本当の決断力”につながるのです」
――自分は何が譲れず、何であれば妥協することができるのか、自分の価値観を知ることが大切だと。
「そのためには“○×表”のようなシートを作って、埋めていくのもいい方法です。一般的に見て、人生で重要だとみなされるような価値観を30~50個くらい挙げる。その中から自分が大切にしたい人生のキーワードを5つほど選ぶ。そうすると、自分が何を大事にしていて、どんな人生を歩みたいのかが見えてきます」
――40~50代の読者の中には、「定年も見えてきたけど、その後はどうしよう? 何を幸せだと思って生きていけばいいのだろう」と悩んでいる方が大勢いると想像します。
「今まで仕事にしがみついて頑張ってきた、子育ても一段落したし、自由になる時間も多少の蓄えもある……そんな時、自分の価値に気づくスモールステップがあれば、何が好きか、何をやりたいかなどの意思決定ができるようになります。
例え選択を間違えたとしても、また軌道修正すればいい。“最終決断”ではなく、“今の自分が納得できる、最良の選択をした”と考えていただければ。それがなぜ自分にとって大切なのかを考えることを繰り返していくうちに、良い選択ができるようになります」
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
「本書では、大きな決断から小さな決断まで、さまざまな事例をマンガで分かりやすく解説しています。登場するキャラクターやエピソードには、私をはじめとした制作チームの悩みや失敗も入れているので、きっと皆さんが共感する事例やキャラクターが見つかると思います。
道に迷う中高年の方はもちろん、進路を決められない中高生まで、この本がこれからの人生の道しるべになればいいなと思います。読んだ皆さんに“主観的な幸せ”をつかみ取ってほしいと願っています」
▲「マンガで挑戦 とっちらかった頭の中を整理して決められる人になる」(主婦の友社刊)【中島美鈴 プロフィール】
1978年福岡県生まれ、臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大学)。
専門は時間管理とADHDの認知行動療法。
肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部などの勤務を経て、現在は中島心理相談所 所長。ほかに、九州大学大学院人間環境学府にて学術協力研究員および独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部非常勤研究員を務める。
著書に『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』(星和書店)、『ADHD脳で困ってる私がしあわせになる方法』『マンガでわかる精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』『マンガで成功 自分の時間をとりもどす時間管理大全』(以上主婦の友社)『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』21(すばる舎)など、本書を含めて全55冊がある。
時間管理の専門家としてNHK「あさイチ」の出演や、朝日新聞でのコラム連載やセミナー講師など多方面で活躍している。
(取材・文/橋本達典)
記事提供元:テレ東プラス
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