ルーキー中村心がプロ初のホールインワンを達成 ナショナルOPで“まさか”「ここで決まるんだ」
<日本女子オープン 初日◇2日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
ルーキー・中村心が、本人も驚くプレーで“女子ゴルファー日本一決定戦”を滑り出した。
それが生まれたのはスタート直後の前半2番パー3(実測195ヤード)。5番UTで放ったショットは、ピン手前に着弾するとワンバウンドして、直接カップインした。入る瞬間は「見えました」。打ち下ろしで、さらにピン位置は右奥というシビアなホールだっただけに、「当たりも方向も良かったけど、入るとは思わなかった。ここで決まるんだ」と思わず目を丸くした。
これが中村にとってプロ入り後、初のホールインワン。直近の達成も、「小学2、3年生くらい。ウッドで打ちました」と記憶を掘り起こさないといけないほどだ。「そこから何年も出なくて。毎年ホールインワンを目標にしてきたんです」と“悲願成就”にニッコリと笑う。なによりも「山口から応援に来てくれた人たちもいたので、見てもらえて良かった」という事実が、喜びの大部分を占めた。
すると「ホールインワンで流れが良くなった」と、その後も足取り軽くラウンドを続けることができた。前半だけで5つ伸ばすと、そこから1つ落として迎えた最終18番パー5は、残り92ヤードからの3打目をピン左1メートルにつけてバーディ締め。「初日をアンダーで回れて、『67』は大きいですね」。5アンダーの5位タイと、上位で2日目に向かうことができる。
女子オープンには2022年に初出場し、今回が4年連続4度目。過去3度はアマチュアとして出場し、23年は14位タイでローアマにも輝いている。「思い入れは深いです。プロキャディさんになったので、攻め方などはあの時(23年)とは違います」。プレー中に考えることも、わずか2年で変わってくる。
プロ1年目。だが、出場3試合目となった4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でプレーオフの末に2位になったことで、「ほど遠いと思っていた優勝が目の前に来た」と、そこからは“勝利”が近く感じるようにもなった。プロ同期の入谷響、荒木優奈がカップを掲げていることも、「私にもできると思って頑張っています」と刺激になっている。
首位とは2打差。「毎日、きのうよりもいい順位であがれるように全力で戦いたい」と、日本一を視界にとらえながらプレーを続ける。ホールインワン賞として、開催コースから賞金30万円も贈られた。プロで初めてのできごとを、プロとして初の優勝へ結び付けたい。(文・間宮輝憲)
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