今年の蚊は強いか? 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】
8月、「今年の蚊、強くないですか?」とSNSに投稿したら、結構な反響がありました。例年よりもひどく腫れたり、痒(かゆ)みが強かったり長引いたりします。アレルギー反応なので、スギ花粉の舌下免疫療法が影響しているかもしれないし、血液検査を受けるつもりでいますが、馬場典子調べでは、同じ感想の人が多いんです。

まだあまり刺されていないよ〜という方も油断禁物。蚊が活発になる気温は25〜30度。むしろ今がピークで、11月まで出る、という専門家も。
私はとても刺されやすく、血液型O、B、AB、Aの順に刺されやすい。お酒を飲む人は二酸化炭素を生成するため刺されやすい。との常識が当てはまるだけではなく、代謝が活発で体温が高く、肌の露出が大人より多い子どもが刺されやすい、との常識を覆し、子どもより先に刺され、ジーパンの上からでも刺されます。
もう一つ、深く関係している要素が「足のにおい」。妹ばかり蚊に刺される原因を、高校生の兄が実験で解明したニュースは皆さんもご存じかと思います。が、刺されやすい派として声を大にして言いたいのは、においといっても、人間が嗅いで臭いかどうかではなく、蚊の交尾を誘発するにおいかどうか、ということ。そして、足の菌の種類が多いほど誘発する、という結果でした。よく足を洗うと刺されにくくなるとのことで、指の間まで洗えちゃう足洗いマットまで購入したのですが、なぜか刺されやすいままです。
素晴らしいことに、妹思いのお兄ちゃんこと田上大喜さんは、その後コロンビア大学で研究し、新たな発見をしていました。それは「肌の水分量が高いほど、刺されやすい」ということ。足のにおいと違って、刺される派としてはちょっと嬉(うれ)しい。これは、蚊としては素早く血を吸えた方が叩(たた)かれるリスクが下がるためで、他の専門家も、皮膚が薄くて柔らかい方が刺されやすいと言います。足を洗えど刺されやすかった理由はここにあったのか!?
これからの蚊のシーズンに備え、フジテレビ「サン!シャイン」で学んだ知恵を二つご紹介します。蚊はふわふわ上下に飛ぶので、上下に挟むように叩くと命中しやすい。そしてオイルなどを塗り肌を滑りやすくすると、蚊が刺しにくくなるそうです。ちなみに蚊は1秒間に800回羽ばたき、これは生物界でもトップクラス。ドローン技術への応用研究もされているらしい。
いろいろと調べたら、蚊にちょっとだけ親近感が湧いてきちゃって、複雑な気分です。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 36からの転載】
馬場典子(ばば・のりこ)/ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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