レギュラー残留“黄信号”に「最後かもしれない」 ルーキー・青木香奈子がにじませたリランキングへの覚悟
<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 事前情報◇25日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6590ヤード・パー72>
今大会終了後には非シード選手を対象に第2回リランキングが実施され、シーズン終盤6試合の優先出場順位が入れ替わる。フル参戦の目安はおおよそ30~35位以内とされ、シードを持たない選手にとって重要な一戦だ。そのひとり、ルーキーの青木香奈子はリランキング50位(55.86pt)と、正念場を迎えている。
目指すポイントになる35位とは65.02pt差。差は決して少なくないが、青木の表情は明るい。「レギュラーに残れたら最高ですし、ステップで上位2人を目指す道もありだと思うので、どっちの道も受け入れている」。どこか吹っ切れた様子を見せる。
ボーダーライン突破には今大会で最低でも、単独なら70ptが得られる4位以上が条件と厳しい立場にある。さらに下部ステップ・アップ・ツアーの賞金ランキングで上位2名に入れば来季のレギュラーツアー前半戦出場権が得られるが、今季1勝を挙げている青木は現在18位(470万5000円)。2位までは約576万円の差があり、こちらも容易ではない。
どちらも険しい道のりであることから、ここ数戦はリランキングのことが頭をよぎり悩むこともあったという。それでも今は「いい状態」と手応えを口にする。リランキングよりも目の前の1打に集中することを心がけているのだ。出球のバラつきが課題でショットが安定しない日々が続く現状を、「つかめそうで、つかめない」と表現。ハーフショットでの出球管理など試行錯誤を重ねている。
とはいえルーキーイヤーは充実している。レギュラーツアーでは予選落ちも経験したが、プロデビュー戦となった3月の「Vポイント×SMBCレディス」では13位。続く地元・宮崎での「アクサレディス」も決勝進出と幸先のいいスタートを来た。そして4月の下部ツアー「大王海運レディスオープン」で、プロ初優勝も飾っている。
中でも大きな収穫は、シード選手のプレーを間近で体感できたこと。「ロープの外で見るのと、中で一緒にプレーするのは全然違います。すべてにおいて抜かりなく、ボギーを叩かない。しっかり耐えて、チャンスが来たら取る」。そう語る目は輝いていた。だからこそ「いいシーズンを迎えられている」と胸を張る。
「(今季のレギュラーツアーは)最後かもしれないので、次につながるように楽しく、緊張感のあるゴルフができれば」。リランキング突破が叶わなかった場合の覚悟もできている。崖っぷちに立ちながらも、笑顔は絶やさず、この3日間を前向きに戦い抜くつもりだ。(文・齊藤啓介)
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