女王からは“発破”も 山下美夢有が弟・勝将の試合をプロ転向後初観戦「なんかね…圧はありますよ」
<パナソニックオープン 初日◇25日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6993ヤード・パー71>
「なんかね…圧はありますよ。言い訳にしたらダメですけど、親戚も姉も来て…ちょっとプレッシャーはありました」
そう言って苦笑いを浮かべたのは、プロ転向後1年目のシーズンを過ごす22歳・山下勝将(まさゆき)。その“姉”とはもちろん、現在、米国ツアーを主戦場にする女子プロゴルファーの山下美夢有(みゆう)だ。
そんな緊張からか、出だしの1番パー5は残り130ヤードからの3打目がグリーン右カラーに落ち、寄らず入らずのボギーに。さらに2番パー4も、ティショットが右のラフに入って2打目が出すだけになり、立て続けにスコアを落とした。
それでも6番で1つ取り戻すと、ピン右サイドからの20メートルを2パットで決めた9番パー5からは怒とうの4連続バーディ。その後は1ボギーを叩いたものの、スコアを2アンダーにまとめた。「(最初は)練習でやってきたことがまったくできなかった。トップが大きくなり過ぎると、振り遅れて絶対ミスになる。そうならないよう練習したけど、試合だと力が入って、最初はうまくいかなかったですね」と頭をかいた。
今大会の舞台となる泉ヶ丘CCは、まだ近大在学中のアマチュアだった2023年の「関西オープン」でプレーし、39位タイで終えたコース。「半分は全然、分からなかった」と、回った場所は一部違えど、もちろん記憶には残っている。当時と今を比較すると、「やってることが全然違う。あの時は勢いだけ。今はマネジメントも学んだうえなので。全体的にピンサイドに外してミスをすることがきょうはなかった。そういうミスを減らせるように」と成長も実感する。
そんなコースで、ロープ外から姉の熱い視線を感じた。弟がプロになってから、はじめての生観戦だ。それもあって冒頭の感想につながる。先週、荒天により中止となった米女子ツアー「ウォルマートNWアーカンソー選手権」が行われたアーカンソー州から帰国。今週の土曜日には、次の試合「ロッテ選手権」が行われるハワイへ移動と忙しい日々を送る姉だが、時間を作り弟のプレーに目を光らせた。
そんな姉は「少しはプロらしくなったかな」と前置きした後、「でも、もう少し頑張ってほしかった」と、弟に発破。初日の2アンダーには、納得がいかない様子だ。ただ、それは「もう少し伸ばしたかった」という本人も同じ。これが今季4試合目のレギュラーツアー出場。ここまでの3試合のうち、予選を通過したのは「Sansan KBCオーガスタ」(52位タイ)のみと、さらなる“頑張り”が必要なのは重々承知している。
ラウンド後は、姉も加えて食事をする予定。“きょうだい水入らず”の時間を過ごす。日本ツアーで2度、女王の座につき、今年の「AIG女子オープン」(全英)ではメジャー制覇も成し遂げた姉が、うなるほどのプレーを見せたい。
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