米国チームがライダーカップ初の「報酬」支払いへ ブラッドリー主将は支持
いよいよライダーカップウィークを迎えたニューヨーク州のベスページ・ブラック。22日に、米国チームのキーガン・ブラッドリー、欧州チームのルーク・ドナルド(イングランド)の両主将が会見し幕を開けた。
注目された大きなポイントが、今大会の米国チームがライダーカップ史上初めて「報酬」を受けとること。もともと賞金はなく、「名誉とプライド」をかけてカップを取り合うのがライダーカップの理念とあって、これまでも報酬の支払いは大きな論争になってきた。
1999年から米国チームは、各選手が当時20万ドル(現在のレートで約2900万円)を自身が選んだ慈善団体に寄付するという制度をとってきたが、この金額は30万ドル(同約4350万円)に増額。さらにここに「報酬」として今年は各選手が20万ドルを受けとることになった。
米国と世界選抜が戦うプレジデンツカップは、同様に自身が選んだ慈善団体への寄付という形をとっている。ブラッドリー主将は自身が受け取る総額50万ドルすべてを寄付することを表明。曰く「PGA・オブ・アメリカからライダーカップを現代にふさわしい形に変えたいと依頼された」という理由で、「報酬」を加えることを主導した。多くの米国チーム選手がブラッドリー主将と同様に全額寄付するのではとも見られているが、「それは個人的な決断で、公表することは好まない」とも話した。
報酬問題はタイガー・ウッズ(米国)が提議した1999年まで遡るが、前回2023年のローマ大会では米国チームのパトリック・キャントレーが「報酬が支払われないことへの抗議」として大会中に帽子を被らなかったとし、欧州チームとのトラブルに発展している。
ライダーカップで「報酬」を受けとることの論争は現在も続いており、過去にキャプテンを務めたトム・ワトソン(米国)は反対派。「慈善団体に寄付するのはいいが、報酬を受けとるとライダーカップでなくなる。チームのためにプレーすべき」と私見を述べている。
会見の席でブラッドリー主将の隣に座っていたドナルド主将への質問はなく、この件に関して意見を発することはなかった。ちなみに欧州チームは「報酬」なしでプレーする。(文・武川玲子=米国在住)
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