シード圏浮上まで何ポイント必要? 渋野日向子は“正念場”の大会中止に「めちゃくちゃ悔しい終わり方」
先週、悪天候のため第2ラウンドが再開できず、そのまま中止になった米女子ツアーの「ウォルマートNWアーカンソー選手権」(アーカンソー州・ピナクルCC)。ポイントランク102位から、来季のフル出場権が得られる『カテゴリー1』(シード権)入りの80位以内を目指す渋野日向子にとっても、痛手だった。
3日間、計54ホールで実施予定だった大会は、第1ラウンド(R)こそ終えたものの、大会2日目の第2R(20日)が雷を伴う荒天のため、中断ののちサスペンデッドに。再開を目指した21日も、コースコンディションの確認や気象予報士・大会管理者との協議の結果、36ホールでの競技成立が不可能と判断され中止が決まった。これにより、大会は非公式となり、日本勢では勝みなみが首位発進していたものの、記録は無効に。当然ながらポイントの付与もされなかった。
第1Rは4アンダー・34位と、3試合ぶりの予選通過へいい滑り出しを切っていた渋野にとっても、貴重な1試合が水に流れた形に。21日の会場で応じた中継局WOWOWのインタビューでは、「残念。やりたかった気持ちはすごくあります」と話した。
現地を襲った激しい雷雨は、渋野も「なかなか寝られなかった」と証言するほど。「コースがどうなってるのかなとは思っていた。(21日は)天気はよくなっているものの、コースの状況が大変だったみたいで。尽力していただいたが、選手側的にはすごくやりたかった気持ちはあったと思う」という心中も明かした。中断した20日は、クラブハウスでの長時間の待機を強いられ、「ある意味疲れた一日」を過ごしていた。
ポイントランキングを見ると、102位の渋野の累計ポイントは191.717pt。現在260.002ptで80位につける選手とは、68.285ptの差がある。この差を1試合でひっくり返そうとすると、メジャー以外の大会では単独で70ptが得られる11位には最低でも入らないといけない計算となる。
この状況のなか苦難も。米女子ツアーは10月から中国、韓国、マレーシア、そして日本を転戦するアジアシリーズに突入するが、ポイントランクを基に決まる、その優先出場権争いは、すでに2週前の「クローガー・クイーンシティ選手権」後に“決着”している。米国時間22日現在で、渋野は中国大会がリザーブ11番手、韓国が同18番手、マレーシアが同14番手、そして日本開催の「TOTOジャパンクラシック」は同10番手と、いずれも出場が厳しい状況に追い込まれている。
もし、アジアシリーズへの出場が叶わないとなると、シードを争う試合は、ハワイで行われる次戦の「ロッテ選手権」(10月1~4日、ホアカレイCC)と、TOTO後の「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」(11月13~16日、フロリダ州・ペリカンGC)の2試合のみ、となる。フロリダ戦の前には、80位との差もさらに開いていることも考えられる。
それだけに「すごく大事な試合ではあったのでめちゃくちゃ悔しい終わり方になって、すごく残念。それより前に、もっと頑張っておけばよかったと思うけど、(中止になった)この試合も強い気持ちを持って臨んでいたのですごく残念です」という思いも吐き出している。
ただ次のハワイ戦は、2022年には優勝争いのすえ2位になった大会でもある。「上位争いができた年もありましたし、不得意ではないと思っている。しっかり結果を残せるよう頑張ります」。まずはしっかりと目の前の1試合に視線を向け、正念場への準備を進めていく。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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