「残業を抑えると手取りが増える!?」 税金&保険料の工夫で可能な"セルフ実質賃上げ"とは?
3年連続でインフレが続いており、収まる気配もナシ。おまけに賃金は待てど暮らせど上がらない!
国や勤め先に期待してもラチが明かないなら、節約術や財テクを駆使して、セルフで"実質賃上げ"だ!! 未曽有の物価高を前向きに、明るくサバイブする知恵はこんなにもある! そこで【超最新版"国宝"級のちまちま節約術&財テク35連発】(全7回)を紹介。第1回は「税金・保険料」編。
*記事内の情報はすべて8月27日時点です。最新の情報は各種ホームページなどを参照してください。また、記事内の価格はすべて税込です
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工夫しようがないと思われがちな税金・保険料。しかし、意外な抜け穴はいっぱいある!
●4~6月の残業を抑えると手取りが増える!
給与所得者が手取り収入を増やしたいなら、4月から6月の残業時間をセーブするとよいだろう。
なぜなら、この3ヵ月間に支払われた給与の平均額を基に、その年の9月から翌年8月までの1年間の社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)が算出されるから。
つまり、この期間の給与を低く抑えれば9月以降の天引き額が減り、年間の手取りが増える可能性があるわけだ。
しかし、この方法には大きな落とし穴があることも覚えておきたい。
将来もらえる老齢厚生年金の受給額や、病気やケガで休んだときに支給される傷病手当金の額も、支払った社会保険料を基に計算されるからだ。実行するならそのリスクもお忘れなく。
●国民年金保険料は「2年前納」で1万7010円トクする!
年々負担が増している国民年金保険料だが、自営業者やフリーランスなど、国民年金第1号被保険者であれば知っておきたいおトク技を紹介しよう。
保険料を毎月納付するのではなく、まとめて前払いする「前納」で割引が受けられるのだが、その中で最も割引額が大きいのが「2年前納」である。
「支払い方法によって割引額は異なり、現金やクレジットカード払いだと1万5670円引き。一方、最もおトクなのは口座振替で、その割引額は1万7010円になります」(経済評論家の佐藤治彦氏)
2年分の前納額は年に1度、4月のみに利用可能。2月中には各年金事務所への手続きが必要だが、確実に支出を減らせる有効な制度である。
●保険は人生の節目で見直せ!生命保険や医療保険を、最初に加入したときのまま何年も放置してはいないだろうか? 保険はライフステージの変化に応じて定期的に見直しを行なうべきだ。
例えば結婚したときには、死亡保険を検討する人が多いだろう。
ただし、住宅ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険」で死亡時のローン返済はカバーされるため、別途加入している死亡保険の保障額は減額できる可能性が高い。
また、子供が独立したら死亡保障を減額し、その分を自分たちの老後資金の準備に回すことができるはずだ。
●自動車保険・火災保険は長期契約がオススメ!自動車保険や火災保険は値上げが続いている。この終わりの見えない値上げリスクから身を守る有効な手段が「長期契約」だ。
火災保険なら最長5年、自動車保険も3年の長期契約を結べば、契約期間中の保険料は契約時の保険料率のまま固定される。
ただし、デメリットも存在する。契約期間中にゴールド免許を取得したり、運転者の年齢条件が変わったりして保険料が安くなる条件がそろっても、その恩恵を受けられるのは次の更新時になってしまうのだ。この点に注意して、自分に合う契約期間を選ぼう。
取材・文/伊藤将史 写真/iStock イラスト/沼田健
記事提供元:週プレNEWS
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