キンプリ永瀬廉と元乃木坂・山下美月が本格ラブコメに初挑戦した胸キュンと感動の王道ロマコメ『御曹司に恋はムズすぎる』

永瀬廉扮する超オレサマ御曹司が、山下美月扮するド庶民女子に恋してしまう、不器用でわがまますぎる恋愛模様を描いたロマンティックコメディー『御曹司に恋はムズすぎる』。2025年１～３月にカンテレ・フジテレビ系で、４月からは台湾などでも放送され、多くの視聴者を胸キュンさせたこの連続ドラマのBlu-ray＆DVDのBOXが、９月12日にリリースされた（レンタルDVD同時リリース）。両BOXには本編に加え、メイキングや永瀬廉が登壇した台湾でのファンミーティングなどの初公開映像を含む約２時間もの貴重な特典映像が収録している。

甘やかされて育った生粋のお坊ちゃまが人生初の恋と庶民生活に苦戦苦闘

タイトルロールにもなっている御曹司の主人公とは、総資産3000億円の巨大アパレルメーカー『服天』の会長・天堂亘（鹿賀丈史）の孫である天堂昴（永瀬廉）。ルックスだけは抜群だが、早くに両親を亡くし、祖父に甘やかされて育った生粋のお坊ちゃまのため、性格は欠陥だらけで超がつくほどのうぬぼれ屋。そんな昴の唯一の理解者で親友の草壁友也（西畑大吾）とは、亘の多額の出資を受けて度々起業するも、事業計画も経営戦略も杜撰で失敗続き。周囲から“お遊び”と揶揄され３社目も潰すと、溺愛されてきた亘からもついに引導を渡され、『服天』にコネ入社して社会人一年目からやり直すよう命じられる。

出社初日、いつも通りハイブランドの私服に身を包んだ昴は、セレブ気分が抜けないまま新入社員研修会に参加。重役出勤で社員の視線を一身に集めるが、それも自分の美しい容姿のせいだと自意識過剰が止まらない。しかし、研修を取り仕切っていた年下ながら教育係の先輩社員・花倉まどか（山下美月）に、TPOをわきまえない恰好を「ダサい」と一蹴される。教師にすら怒られたことがない昴は、屈辱を味わった挙句、自社の型落ちスーツに着替えさせられ、苛立ちを募らせる。

さらには亘の命で、古びた社員寮に引っ越し、無制限に使えたクレジットカードを取り上げられ、当座の僅かな生活費と会社から支給される新入社員としての給料だけで生活することになった昴は、人生初の庶民暮らしに悪戦苦闘。気を紛らわせるため爆音で音楽を聞いていると、隣の部屋の住人が怒鳴り込んでくるが、それは昼間に屈辱を受けた教育係のまどかだった……。

ドラマファンからの信頼も厚いカンテレ制作の完全オリジナルドラマ

ルックスと金だけで生きてきた性格的に欠陥だらけの超わがままナルシスト御曹司が、25歳にして社会人一年生となり、初めての庶民暮らし、初めての本気の恋、初めての挫折などのさまざまな経験を経て、好きな人のため立派な大人へと成長していく王道のロマンティックコメディーの本作。全12話で展開する物語は全編を通して主人公・昴の成長と恋模様を描いていくが、前半は昴と倹約家でド庶民の花倉まどかが惹かれ合っていくまでを中心に展開し、後半は昴とまどか、そして昴のライバル的存在の上司・成田理人（小関裕太）の３人の出自に関わる秘密や、昴と親友・友也との関係性の変化、さらには様々な家族愛なども綴られていく。各話約23分×12話で、物語はテンポ良く軽快に進んでいくため、全編ダレることなく一気見できる作品ともなっている。

御曹司と庶民の格差恋愛、オフィスラブ、強力なライバルとの三角関係、出自の謎、幼馴染との熱い友情、家族愛……など、キュンキュンしつつ感動させられる展開が満載の王道ロマコメの物語は、漫画原作かと思いきや、その野心的な攻めた作品作りでドラマファンからも信頼の厚い関西テレビ制作の完全オリジナルストーリー。主人公の昴は、なんでも思うがままになると思い込んでいて、その理由は「なぜなら俺だから」と言い放つ自己チューで世間知らずな俺様キャラのため、最初はいけ好かない男。しかし、甘やかされて育ってしまった子どもなままなだけで可愛げがあり、根は優しく素直なため、実は伸びしろも大きく、様々な試練を経て急成長を遂げていく姿は自然と応援したくなる。また、ラストまで見ると、主人公・昴がいかに愛情深い人々に囲まれて育ってきたかがわかり、昴自身もようやくそれに気づけたからこそ急成長できたことが頷け、爽やかな感動に包まれる。

そんな俺様キャラが人間らしく成長していく変化を、King ＆ Princeの永瀬廉が変顔なども厭わずユーモアたっぷりに好演。わがままで世間知らずな俺様お坊ちゃま役を振り切って演じつつ、庶民生活に慣れずに悪戦苦闘する姿や好きになった女性には一途でピュアな姿など様々な顔を披露して見せる。おしゃれにキメた姿はカッコよくもあるが時に滑稽にも見える中、地べたに這いつくばるように泥臭く頑張る不器用な姿こそドキッとさせられ、ギャップ萌えさせられる人も多いことだろう。

主人公の昴と反発し合いながらも惹かれ合っていくヒロインの花村まどか役は、永瀬と共に本格ラブコメに初挑戦した、元乃木坂46の山下美月。超庶民派で真面目で堅実、実家に仕送りまでしている優等生キャラで昴とは何もかも違い、子どもの頃に受けた恩返しと同社の原点である子ども服を作りたくてアパレルメーカー『服天』に入社したという高い志を持つ。恋より仕事だった彼女が、どうやって昴と惹かれ合っていくことになるのかが、物語前半の大きな見所となる。そのツンデレぶりは美しさと可愛らしさを併せ持つ山下にピッタリで、昴の妄想の中のまどかを演じる際には抜群のコメディエンヌぶりも見せている。

また、『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』（22）に続く2度目の共演となる昴の親友・草壁友也役のなにわ男子の西畑大吾と永瀬は、同じ大阪出身かつ事務所の同期で元々親交が深いため、親友役はまさにハマリ役。友也は昴に常に昴に寄り添うサポート役でもあるが、昴の成長や周囲の状況によって次第に2人の関係性が変化していく過程も見所となっている。さらには、昴の恋のライバルとなるイケメンで性格も良くて仕事もできる上司・成田理人役の小関裕太、何か秘密を抱えた様子の切れ者社長・東雲香織役の筒井真理子、昴の祖父で会長・天堂亘役の鹿賀丈志など、豪華俳優陣が脇を固めている。

プライベートでも仲の良い永瀬廉と西畑大吾のイチャイチャワチャワチャが満載の映像特典

９月12日にリリースされたBlu-ray-BOXとDVD-BOXには、約２時間の特典映像を収めたディスクと、スペシャルブックレットの封入特典が付く。特典映像は、70分を超えるメイキング集をはじめ、永瀬廉×西畑大吾の撮り下ろし映像による特別企画、山下が劇中のまどかの部屋のセット内から小関にインタビューした『山下美月×小関裕太 in まどかの部屋』、台湾での放送前に永瀬が現地を訪れて開催した『台湾ファンミーティング』などを収録している。

本作の撮影は2024年11月から始まり、King & Princeのツアーとも重なっていたため撮休も挟みつつ ３カ月弱かけて行われたという。その様子を収めたメイキング集では、クランクイン時に緊張を隠せない山下と対照的に、永瀬と西畑は「撮影初日からリラックスした状態で撮影に臨めているのはなかなかないことだ」とコメント。それは普段から仲が良い永瀬と西畑が揃った現場であるためで、その和気あいあいとした様子は特典映像の随所に見られる。永瀬のクランクアップ時には、先にクランクアップしていた山下と小関が現場に駆け付けたが、西畑も別の仕事現場から約２時間かけて少し遅れてでも駆け付け、永瀬を労う姿なども収められている。撮影中に誕生日を迎えた永瀬と西畑をスタッフが現場で祝う様子もあり、永瀬と西畑は２歳違いだが、人生の約半分を同じ事務所で過ごしてきた同期だけに、敬語なしで遠慮なく関西弁で突っ込みあい、昴が友也の襟首を掴んで詰め寄るシーンでも、「仲が良いからこそリハーサルから遠慮なく本気でぶつかる芝居ができた」とお互いに語っている。

冒頭のブランド発表会シーンなど、大勢の観客役のエキストラを入れたシーンでは、永瀬と西畑がエキストラの方々に声をかけて盛り上げる姿や、キャスト陣が監督たちから細かい演出を受けている様子、永瀬が「初めてラブコメに挑戦させてもらえて感謝しているし、楽しかった。コメディー的なシーンでスタッフさんが笑ってくれているのも嬉しくて、そこに特にやりがいを感じていたし、初めての経験ばかりでした」と語るなど、主要キャストが充実の撮影現場を振り返るコメントなども収録している。

永瀬廉×西畑大吾が、終盤の撮影現場の合間に撮り下ろした特別企画では、改めてお互いの関係性や今回の現場について２人だけでじっくり振り返っている。まどかと理人のキスシーンを目撃したと思い込んだ昴が友也に相談する第５話のシーンでは、危うく西畑の初キスシーンが永瀬に奪われかけたことなどの秘話も明かし、２人のイチャイチャワチャワチャした様子がたっぷり。また、日本での放送終了の翌月から放送開始した台湾に、永瀬が現地入りして開催したファンミーティングの模様も収録。会場のZepp New Taipeiには約1000人の満員の観客が詰めかけ、黄色い声援が飛び交う大歓迎を受けて登壇した永瀬が、「我愛你們」（みんな愛してるよ）と呼びかけるなど、トークやゲームで台湾のファンと交流した様子が収められている。永瀬の一挙手一投足に大きなリアクションで応える台湾ファンの熱気がすごく、大いに盛り上がったファンミーティングの様子やこのドラマへの注目度の高さが窺える。この特典ディスクでしか見られない貴重な映像が豊富に収録されているので、このドラマのファンはもちろん、キンプリやなにわ男子のファンにも必携のBOXとなっている。

文＝天本伸一郎　制作＝キネマ旬報社