ランチを10秒で決められればスコアアップ! 「決断力」不足でミスする人の解決法
迷いながら打つと、脳から筋肉への指令がスムーズに伝わらず、思いもよらぬミスをしてしまうという。迷いを断つには決断力を高めるしかない。そこで、決断力の効果的な高め方を教えてもらった。
ピンまでの残り距離に応じた番手選びやインパクトの力加減などを決めきれないまま打って大ミス……。己の決断力の低さに落ち込んだ経験がある人も多いのではないだろうか?
「決断力が高い人と弱い人では、脳のMRI画像に明確な違いが見られます」と教えてくれたのは、脳診断のスペシャリストである加藤俊徳先生。
「脳には100億個以上の細胞があり、それぞれ運動や視覚、聴覚など特定の機能にかかわる細胞が集まっています。私はこれらを『脳番地』と呼び、運動系、思考系、伝達系、視覚系、感情系、理解系、聴覚系、記憶系の8つに分類しています。例えば聴覚が鋭い人の脳は、MRI画像を撮ると聴覚系脳番地が黒く映るなど、使い込まれた脳の部分は黒く映る特性があります。そして決断力が高い人の脳は、全体的に黒っぽい画像になるのです」
ゴルフでも悩む場面は多い。そのとき、スパッと決断できる人は脳のさまざまな番地が発達しているという。
「脳と体のつながりは、非常に精密です。脳からの指令が複雑になるほど、体の動きも複雑になります。ですから迷ったまま打ったときほど、信じられないようなミスをしやすいのです」
ゴルフにおける決断力を高めるには、日常的な脳番地のトレーニングも有効だという。そこで、具体的な「決断力」の強化方法を教えてもらった。
■ゴルフ場のランチは10秒で決める
メニューを確認した上で、チョイスに使う時間を10秒に制限。ポイントは、適当に指さすのではなく、短時間で「本当に食べたいもの」に思いをめぐらせ決定すること。このプロセスで、思考系番地が鍛えられる。
■左右逆打ち素振りをする
左右の動きを逆にすると、脳は通常の1.6倍のエネルギーを使う。当然、動きはぎこちなくなるが、それでも丁寧に振ろうとする意識で、脳には新鮮な刺激が加わる。スイングバランスの調整にも、役立つこと間違いなしだ。
■ゆっくり数字を数える
「い~ち、に~……」とゆっくり数字を数えることで、脳に酸素が行き渡り、頭がスッキリする。ラウンド中にカッと怒りを覚えたときや、落ち込んだとき急にやるのではなく、日ごろから行うことが大事。「数を数える=冷静になる」という反応が身に付き、いざというとき落ち着きを取り戻しやすくなり、決断力が鍛えられる。
【解説】
加藤俊徳先生
かとう・としのり/脳内科医・医学博士。加藤プラチナクリニック院長。脳の学校代表。昭和医科大学客員教授。ミネソタ大学放射線科MR研究センター研究員などを歴任。脳の機能別の脳番地トレーニング法を提唱している。『サクッとわかるビジネス教養 脳科学』(新星出版社)、『すごい脳の使い方』(サンマーク出版)など著書多数。
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