最終組入りで“まさかの影響”も「ここで勝たないと」 後藤未有は4年目の“ベストコンビ”で初Vへ
<ニトリレディス 3日目◇30日◇北海道カントリークラブ 大沼コース(北海道)◇6955ヤード・パー73>
レギュラーツアー未勝利の後藤未有が、6バーディ・1ボギーの「68」をマークし、トータル10アンダー・単独首位で最終日を迎える。悲願のツアー初優勝がかかる一日だ。
昨季シードを喪失し、今季はQT32位の資格で開幕。第1回リランキングでは11位まで浮上していた。しかしここまでの22試合でトップ10入りは3回あるものの、予選落ちも13回と苦しい戦いが続いていた。
不調の原因はパッティングだった。5試合前の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で予選落ちを喫した際、居残り練習を行い、悩んでいたアライメントに問題がないことに気づいた。「じゃあそんなに悩まなくてもいいじゃんって。そのまま気持ちよく打ってしまえば普通に動くのに、考え過ぎていた」。翌週も予選落ちだったが、これをきっかけに復調の兆しをつかみ、前戦の「CAT Ladies」では7位タイと好成績を残した。
今大会は、4年目のコンビとなる清家充広キャディと4試合ぶりにタッグを再結成。「大東建託が終わってから私が無理言って3週間だけ気分転換に違うキャディさんを使わせて欲しいと言った。普通だったら直前で『なんで?』ってなるし、じゃあ後半戦はもういいよとか言われるかなと思って言ったんですけど、『そういうのも大事だと思う』って言ってくれた」と絆は深い。
気分転換を図った背景には、パートナーへの甘えが出て「プレーで少し悪い流れになった時に態度に出てしまっていた」など自身の未熟さを感じたからだった。「そういうのが良くなかったのかなと思って…」。自分を鍛えるための決断でもあった。
清家キャディについて「普通ならやってくれないところまでサポートしてくれる」と信頼を寄せる。そして別のキャディや友人と組んだ期間を、「自分のプレースタイルを考えて、距離も測って、自分のゴルフをちゃんと自分で考えてやるようになるので、より自分のゴルフに向き合える時間が作れた」と“成長”にもつなげた。
ひさしぶりに二人三脚で3日間を戦い「何も言わなくても大体のことをわかってくれてるので安心感もありますし、自分が迷った時に的確なアドバイスをくれるので、その辺りは一人でやっている時とは違うなって思います」と存在の大きさも実感した。
最終日は、信頼する“ベストコンビ”で挑む初優勝が目標だ。そしてもう一つ、「ここで勝たないといけない」理由がある。翌週月曜日に「日本女子オープン」(9月1日)の最終予選会に出場するため、最終日の飛行機での移動が必要。しかし最終組でのラウンドとなったため、もともと予約していた便に間に合わなくなった。「終わるのがきょうのような時間だと、もうそれに乗れないので勝つしかない。勝ちたいというよりはもう、このままじゃ(予選会に)行けないから、ここで勝たないと…みたいな。いつもの優勝争いとはまた違う要素が加わった」と苦笑いしつつも、気を引き締めたように強い眼差しを向ける。
後藤は兵庫県の小野ゴルフ倶楽部での最終予選会に挑む予定で、その後は5日(金)から千葉県のゴルフ5カントリー オークビレッヂで開催される「ゴルフ5レディス」に出場する。慌ただしい1週間が控えているが、「予選会に出なくてもいいように…」と今大会での勝利を誓う。単独首位で迎える最終日、逃げ切りVでゆっくりと次戦に臨みたい。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。