初の大河ドラマ出演&“月9”主演も話題の福原遥、映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」では人の心を揺さぶる演技を披露

福原遥
福原遥が放送中の月9ドラマ「明日はもっと、いい日になる」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)で主演を務め、同じく放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)では“悲劇の花魁”を演じて話題に。また、水上恒司とのW主演で2023年12月に公開された映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」も興行収入45億円突破の大ヒットを記録した。今回は福原のキャリアを振り返る。(以下、出演作品のネタバレを含みます)
“まいんちゃん”で一躍人気となった福原遥
1998年8月28日生まれの福原は、小学1年生のときに芸能事務所に所属し、子役として活動を開始。その後、子どもを対象にした食育・料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(2009~2013年、NHK Eテレ)に出演し、一躍人気となった。
アニメと実写で構成される同作は、架空のテレビ局を舞台に、料理番組の司会を務めることになった主人公・まいんが成長していく姿を描いた番組。福原は4年間にわたって出演し、アイドル役にぴったりのビジュアルで子ども世代からその親世代まで幅広く知られることに。
“福原遥=まいんちゃん”というイメージは非常に強く、学園ミステリードラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(2019年、日本テレビ系)で福原の役がフィーチャーされた第6話では、放送時に「#まいんちゃん」がトレンド入り。だが、トレンド入りする要因となったのは、福原自身の類まれな演技力から。
部活から自分を追いやった顧問を陥れようとして、菅田将暉が演じる担任教師に「もっと自分の言葉に、自分の行動に責任を持てよ」と叱責される場面で、泣きの演技を見せた福原。それは、視聴者が「もはや演技かどうか分からない」と感嘆するほどだった。

福原遥
俳優を目指すきっかけとなった“朝ドラ”ヒロインに
福原は2012年から、ローティーン向けのファッション誌「ピチレモン」の専属モデルとしても活躍。その一方で、俳優としてキャリアを積み重ねていく。テレビアニメ「キラキラ☆プリキュアアラモード」(2017-2018年、テレビ朝日系)では甘く、透明感のある声を生かして声優を務め、一見クールだが喜怒哀楽の激しい主人公を演じたドラマ「ゆるキャン△」(2020年ほか、テレビ東京系)シリーズ、愛らしいが芯のあるキャラクターで人気となったドラマ「正直不動産」(2022年ほか、NHK総合)シリーズなどに出演。
また、映画では「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」(2017年)で趣味のダンスの実力を発揮し、「女々演」(2018年)では映画初主演を果たす。さらに、「羊とオオカミの恋と殺人」(2019年)で殺人鬼の美少女を演じるなど、多彩な役をこなしてきた福原。そして、連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022-2023年、NHK総合ほか)のヒロインに抜てきされたことで大きく飛躍していく。
福原は朝ドラをきっかけに俳優を目指したそうで、井上真央がヒロインを務めた「おひさま」(2011年)を見た際に「人に影響や感動を与える作品ってすごいな、私もやってみたいな」と思ったことをインタビューで明かしている。
ヒロインを務めた「舞いあがれ!」は、空に憧れを抱いたヒロインがパイロットの夢を追い掛けていくというストーリーで、福原は苦境や挫折を乗り越え、成長するヒロインを好演した。

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」より
タイムスリップした先で特攻隊員と出会う
「舞いあがれ!」で頑張るヒロインを演じ、感動をもたらした福原は、2023年に公開された映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」でも人々の心情に影響を与えることに。
累計発行部数150万部突破の汐見夏衛氏によるベストセラー小説を実写映画化した「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は、現代の高校生・加納百合(福原)が1945年の日本にタイムスリップし、そこで出会った特攻隊員の佐久間彰(水上)に引かれていくという物語。興行収入45億円超え、観客動員数350万人突破の大ヒットを記録し、続編となる小説「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」が2026年に映画化されることも、8月8日に発表されている。
百合は親や学校など、全てにイライラして不満ばかりの高校生。父親は百合が幼いころに人を助けて亡くなっており、残された者の苦しみという感情も強かったのかもしれない百合が、国のために命を散らす任務を背負った若者たちと向き合う。そんな彼女の姿にハラハラしつつも、考えさせられる。
戦後80年を迎え、当時のことを実際に知る人が少なくなっている中、このような映画やドラマで伝えることの大切さがある。作品を見た人たちからは「命の尊さが伝わる」「今の幸せを大切にしないと」「百合のように真っすぐに『間違ってる』と言えるだろうか」といった感想が上がるなど、心を揺さぶる影響があった様子。福原が俳優という仕事を選び、伝えたかったことが成し遂げられていることがうかがえる。

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」より
初の大河ドラマでは花魁役で視聴者を魅了
2024年は「マル秘の密子さん」(日本テレビ系)でのダークヒロイン役がハマり、ABEMAオリジナル連続ドラマ「透明なわたしたち」では新聞記者になりたかった週刊誌ゴシップライターの主人公を演じ、その複雑な心の機微を体現した福原。
2025年には、大河ドラマ初出演となる「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で花魁役に挑戦。大人の色を漂わせ、「んふ」と笑う小悪魔っぽさが話題に。愛する人を失い、殺した相手を憎み、呪術に手を出すという、悲壮な運命を辿る役柄を見事に演じて視聴者を魅了。クランクアップの報告時には、惜しむ声が多数上がったほどだった。
また、放送中の月9ドラマ「明日はもっと、いい日になる」では初出演、初主演を果たした。ここでは、警察から児童相談所に出向になった正義感が強く、愛情深い女性・夏井翼役を務めている。
これまで、さまざまなインタビューで「役に悩む」ということを明かしているが、内に秘めた熱さで真摯(しんし)に役と向き合い、きっちり作り上げて魅力的なものにしている福原。大役も射止めるその演技力で、今後もさらに花開いていくだろう。
【制作・編集:WEBザテレビジョン編集部】

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」より

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記事提供元:Lemino ニュース
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