2週間の“夏休み明け”菅沼菜々が「プロ」のアイドルから学んだこと ツアー3勝に貢献したエースシャフト変更も?
<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前情報◇13日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>
5月の「パナソニックオープンレディース」に続く今季2勝目を目指す菅沼菜々が、2週間の“夏休み”を経て、2023年にツアー初優勝を挙げた軽井沢に帰ってきた。「調子はずっといい感じ」と、2年ぶりの大会制覇を目指していく。
練習ラウンドを行った13日には、昨年の不振脱出を支えた森守洋コーチも会場を訪れ直接指導。「私の悪いクセで(スイング時に)シャットになってしまう部分を直したら、だいぶよくなりました」と微調整を施し、さらに自信も増す。
64位で終えた3週前の「大東建託・いい部屋ネットレディス」後は、ツアー自体が1週間のオープンウィークに。さらに、その翌週の「北海道meijiカップ」は、広場恐怖症で飛行機など公共交通機関に乗るのが困難な菅沼はスキップを余儀なくされた。ただその期間も、「関コレは、(臼井)麗香ちゃんと一緒に出られて楽しかったし、友達とも遊べてリフレッシュできました」と有意義な時間を過ごせたようだ。
菅沼が言う「関コレ」とは、先週6日に大阪・京セラドームで開催された若い女性向けのファッションショー&ライブイベント「関西コレクション」のこと。ここに臼井と組むアイドルユニット『Chell7』(ちぇるなな)として出演し、歌やダンスを披露。女性アイドルグループ『iLiFE!』(あいらいふ)とのスペシャルコラボで、会場を盛り上げた。緊張した?という質問にはコクリとうなずいたが、ここでは大きな学びもあったという。
「(iLiFE!は)とにかくみんなかわいいし、何よりめちゃくちゃプロだなって感じました。表情とかもすごいし、裏で努力をしていると思う。その姿を見て、私もファンのみなさんにもっと笑顔で対応したいなと思いました」。迎えた3週ぶりの試合での目標も「楽しくゴルフをすること。今週は楽しみながら笑顔で頑張りたい」に設定。“魅せるプロフェッショナル”としての意識を、さらに高めていくつもりだ。
変化は気持ち的な部分だけではなく、クラブ面にもみてとれる。今週からドライバーのシャフトを、3年ほど使用した三菱ケミカルの『テンセイProホワイト1K 50S』から、9月5日発売の新製品『テンセイProブラック 1K Core』に替えることを示唆した。ホワイトは、ここまでの3勝すべてに貢献してきたエースシャフトだが、「今年はパワーがついたからか、スピン量が多くなって少し吹け上がる感じがあった」と、体の変化とともに球質にも変化が。そのため設計的にホワイトよりもスピン量が減る新シャフトを勧められ、練習で試している。
ドライバーの違和感こそあったものの、大きく曲がるわけでもなく、好調自体は続いていたため、メーカーとも相談のうえ、ここまでは変更せずに来た。しかし、新製品が菅沼の悩みと相性がよさそうだったこともあり、挿し替えを実行した。初めて試したのが、軽井沢に入ってからということもあり、まだ検討の余地を残すが、気持ちは大きく前進している。
今までスピン量の増加によりロスしていた飛距離も戻ったため、「5ヤード伸びました」と数字でも効果を実感。さらに、「練ランで初速63(m/s)が出ました。本番でさらに振れれば、65~66(m/s)くらい出るんじゃないかな」と、さらなる伸びしろも感じている。
6625ヤードと距離も決して長くないコースとあって、「飛べば飛ぶほどいい。なのでスピン量が減るとありがたい」という考えも、その決断を後押ししそう。開幕前日の14日に行われたプロアマは欠場したのは心配だが、本戦での元気な姿に期待。“自称ゴルフ界のアイドル”が、その笑顔と迫力を増したドライバーショットで、避暑地を訪れたギャラリーを魅了することになるのか。(文・間宮輝憲)
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