市原隼人主演映画「おいしい給食」PRに小泉進次郎登場…ネットではパフォーマンス批判続出

自民党の衆議院議員で農林水産大臣を務める小泉進次郎(44)が8月6日、自身のInstagramを更新し、俳優の市原隼人と大臣室で対談した様子を公開した。
市原は主演映画「おいしい給食 炎の修学旅行」(10月24日公開、綾部真弥監督)のプロモーションの一環として農水省を訪問。作品が農林水産省とタイアップすることを記念し、両者は「給食愛」や「共食」の大切さについて語り合ったという。
小泉は投稿で「給食が好きだから学校に行くという子もいる。共食には不思議なパワーがある」と述べ、映画を通じて「食育」や「共食」の意義を広めたいと強調。市原については「甘利田先生に負けないくらい給食愛にあふれていた」と称賛した。
しかし、この微笑ましいやり取りとは裏腹に、コメント欄には現場の給食事情を知る人々から厳しい声が相次いだ。「今の給食は唐揚げ1個とかでかわいそう。予算がないそうです」「未来ある子ども達に栄養満点の質と量をお願いします」といった切実な意見や、「小泉パフォーマンス大臣」「でたパフォーマー」といった辛辣なコメントも目立った。
学校給食は子どもの健康を支える重要な制度でありながら、自治体ごとの予算や人員不足によって質・量の低下が指摘されている。栄養士や調理員の現場からは「食材費の高騰でメニューの見直しを迫られている」「肉や魚の量を減らさざるを得ない」という声も上がる。そうした中でのタイアップ企画やPR発言は、「現実を見ていない」と受け取られやすく、実際に今回もSNS上で「映画の宣伝よりも給食改善に力を入れるべき」といった批判が拡散された。
小泉はこれまでも多くの場面で印象的なフレーズやパフォーマンス的行動が注目を集めてきた政治家だが、同時に「言葉は巧みでも実行力が伴っていない」という指摘も少なくない。今回の投稿でも、映画の話題性に頼る形で給食問題を語った印象が強く、根本的な改善策や具体的な政策には触れなかったことが批判を招いた要因とみられる。
給食は単なる食事ではなく、教育や地域社会とのつながりを育む場でもある。だが現場では、物価高騰や財政制約に直面し、理想とかけ離れた状況が続いている。政治家が「給食愛」を語るなら、まずはその背景にある課題に向き合い、持続可能な制度を実現するための施策を打ち出すべきだ。
今回の小泉と市原の対談は、映画の宣伝としては華やかで絵になる一幕だった。しかし、その裏にある現実とのギャップが、かえって国民の不信感を増幅させたと言わざるを得ない。給食の魅力を広めるだけでなく、その質と量を守るための具体的な行動こそ、今求められている。
記事提供元:デイリーニュースオンライン
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