上位に日の丸ズラリ「レベルがすごく上がっている」 3位発進の山下美夢有が見る日本勢の強さ
<AIG女子オープン 初日◇31日◇ロイヤル・ポースコールGC(ウェールズ)◇6748ヤード・パー72>
まだ初日ながら、日本人にとってはうれしいニュースとなった。首位から4位タイまでの13人のうち、6人が日本勢という躍進ぶり。その中で、首位と1打差の3位につけた山下美夢有は、前半で圧巻のプレーを見せた。
難易度の高い1番こそボギーだったが、4番パー4でセカンドをおよそ1メートルにつけてバーディを奪うと、5番パー3ではグリーン手前からラインに乗ったボールがあと少しでホールインワンというショットとなり、再びバーディを奪った。
「ショット自体はすごく良くて。フォローが吹いたらあの辺に行くだろうな、っていうのは想定していたんですけど、あそこまで近くにいくと思っていなかった」と、ショットに手応えを感じつつも、望外の結果に目を丸くした。
その後も「いいミドルパットが入ってくれて、スコアを作れた」と、気づけば圧巻の4連続バーディを奪ってみせた。勢いは衰えず、9番パー5では3番ウッドで放ったセカンドショットをおよそ4メートルにつけて、イーグルを奪取。リーダーボードを駆け上がり、首位に立つ時間帯もあった。
しかし、後半はパーを並べる展開となり、17番パー4ではスコアを1つ落とした。それでもスコアは「68」。「バンカーに入れてしまったりとかもありましたけど、うまく耐えれたので良かった」と、納得の一日となった。
フェアウェイキープ率は71.4%(10/14)、パーオン率は77.7%(14/18)と高水準だったが、あすへの修正ポイントもある。「ショットが少し左に曲がってしまっていた。今からしっかり見直して、いい状態で回れたら」と、好スタートながら修正に余念はない。
この日は、首位に立った竹田麗央と同組だった。日本ツアー女王同士のラウンドとなったが、2人は米ツアー唯一のダブルス戦「ダウ選手権」でペアを組んでいることもあり、雰囲気の良さが印象的だった。
「本当にいいリズムで回れたと思う。メジャーで日本人選手と回る機会はあまりなかったので、こうして回れて良かった。麗央ちゃんもいいプレーをしてたので、私もそれについていって、いい流れで回れた」と、7つのバーディを量産した竹田との相乗効果もあった。
首位には竹田と岡山絵里。山下のすぐ後ろにはメジャーチャンピオンの西郷真央、岩井千怜、桑木志帆と、日本人選手の名前がずらりと並ぶ。「今までメジャーでこんなに日の丸がいっぱいついてるのを見たのは、初めてだった」と、“当事者”の山下ですら驚きを隠せない様子だった。
近年は米ツアールーキー組、さらにはメジャーにスポット参戦する日本ツアー組も好結果を残すなど、その活躍は著しい。山下自身もここまでトップ10入りが6回と上位常連。今年の「KPMG全米女子プロ」でも6位に入るなど、ルーキーとは思えない活躍を見せている。
「日本のツアーもレベルがすごく上がっている。海外で徐々に(日本勢が)通用するようになってきているのも、素晴らしい選手が増えているからなのかなと感じる」と話す。
もちろん、そうした選手の活躍は自身の刺激にもつながり、「結果、自分のプレーに集中していけたら」と、好循環の中にいる。
今季メジャー最終戦の初日から、日本勢の優勝に期待が膨らむ展開となった。2日目に向けては、「パターのフィーリングも良かったですし、ショットも後半はそんなに悪くはなかった。もうちょっと耐えたかったけど、4つ(バーディを)取れたのは良かった。切り替えて、あすもいいラウンドができるように頑張りたい」。2位発進も、山下にはまだまだ余力がありそうだ。
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