若年層も狙う“ニセ警察詐欺”が巧妙化!劇場型から自動音声まで手口が多様化中
巧妙化する詐欺の手口が、今や電話やSMSといった日常の連絡手段にまで及んでいる。トビラシステムズが2025年6月に実施した調査によると、国際電話を悪用した不審な着信や、信頼を装うフィッシングSMSの被害が急増しているようだ。さらに、警察を名乗る新たな手口「ニセ警察詐欺」も横行し、世代を問わず深刻な被害が拡大しているという。今回はその実態と対策について詳しく見ていこう。

国際電話となりすましSMSが急増中!巧妙化する詐欺の入口に要注意

トビラシステムズは、2025年6月1日~31日にかけて詐欺電話や詐欺SMSに関する調査を実施した。迷惑電話番号の種別割合については、国際電話番号が63.4%と前月比+5.7%と増加傾向にあることが明らかになった。なかでも北米地域の国番号を悪用した詐欺が目立ち、警察や総務省、通信事業者を名乗るケースが多く確認されているようだ。
実際、成田国際空港警察署遺失物センターをかたり「あなたの名前が記載された遺失物がある」と案内する自動音声が流れる事例も報告されている。見慣れない国番号や不自然な自動音声の電話には即時対応せず、一度立ち止まる習慣が今後ますます必要になっていきそうだ。

一方、フィッシングSMSの手口も巧妙さを増しているようだ。2025年6月に確認されたSMSのうち、宅配業者をかたるものが41.8%、金融・決済サービスが38.3%、官公庁を名乗るものが9.1%と、いずれも高い割合を占めた。
特に官公庁系の増加は、国税庁をかたるSMSの急増が背景にある。加えて、「Mastercard」「UCカード」「三井住友カード」など、実在するクレジットカード会社を名乗るSMSも後を絶たない状況だ。誰もが知っている企業や機関の名前をかたることで、受信者の警戒心を和らげるのが、近年のフィッシングSMSの常套手段となっているのかもしれない。
ニセ警察詐欺が拡大?劇場型や自動音声による被害が多数

詐欺の被害は、国際電話やSMSにとどまらず、最近では「ニセ警察詐欺」と呼ばれる手口が深刻化しているようだ。これは警察官を装い、「あなたの口座が犯罪に使われた」などと偽って、現金やキャッシュカードをだまし取るというものだ。
警察庁によれば、2025年5月時点での被害総額は316億円に上り、特殊詐欺全体の約64%を占めているという。特に20〜30代の若年層では、ほぼすべてが携帯電話への着信を起点とした被害で、最初に官公庁の担当者を装った人物が登場し、その後「問題に対処するために警察につなぐ」としてニセの警察官に転送する「劇場型」の手口や、自動音声で「1を押してください」と指示し、詐欺オペレーターに接続するなど、段階的に信頼を得てだます、効率化された犯行もあるという。
だからこそ、こうした被害に遭わないために、次の3つの対策を意識しておこう。「電話でお金やキャッシュカードの話が出たら詐欺を疑い、一度電話を切る」「警察官からメッセージアプリやSNSで連絡が来たり、警察手帳や逮捕状の画像が送られてきても対応しない」「固定電話や携帯電話で、国際電話の着信拒否サービスを積極的に活用する」。
誰にでも届く電話やSMSが詐欺の入り口になっている現代、自分を守るために対策を徹底し、疑う勇気を持つことが今後ますます重要になっていくだろう。
出典:【トビラシステムズ株式会社】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています
記事提供元:スマホライフPLUS
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