AI音声・にじボイス、来年2月でサービス終了 「法的な権利侵害はない」としつつ…

イチオシスト
株式会社Algomaticは11月21日発表のプレスリリースの中で、2026年2月4日をもってAI音声生成プラットフォーム「にじボイス」のサービスを終了すると発表しました。計53体のキャラクターボイスについて、「組合員の声に酷似している」として日本俳優連合から削除要請を受けたことが要因としています。
日本俳優連合からの度重なる削除要請
にじボイスはDMMグループの株式会社Algomaticが提供するAI音声生成サービスで、2024年11月に「DMMボイス」として提供が始まり、その後「にじボイス」に改称されました。自然な発声な上、幅広いジャンルのボイスが用意されていたうえ、リリース時は無料プランが用意されていたこともあって、YouTube動画のナレーションなどで多く使われていました。
なお、VTuberグループの「にじさんじ」とは無関係です。
プレスリリースによると、今年9月、日本俳優連合から33体のキャラクターボイスについて「組合員の声に酷似している」との指摘と削除要請が寄せられたといいます。Algomaticは「社内で再度調査を行い、法的な権利侵害は確認されませんでした」としているものの、懸念に配慮する形で該当ボイスの提供を終了しました。
「以降も問題がないように細心の注意を払いながら運営を続けてまいりました」とするものの、11月には同団体から追加で20体の削除要請を受領。こちらも権利侵害はなかったと説明するものの、累積する指摘を受けて来年2月4日をもってのサービス終了という決断に至ったそうです。
声優の不安に配慮する形
Algomaticはプレスリリースの中で、
『にじボイス』は声の権利を守るためのプラットフォームとして立ち上げた経緯がございます。「声が似ている」とご本人等が不安に思っていらっしゃるのに、それは、主観であるという主張をすることが、生身の人間に対してどう感じられるのか、と言う問いを何度も考え続けました。
と綴っており、こうした判断の結果として上記の結論に至ったといいます。
利用者に向けては、
法的な権利侵害がないのにサービスを終了することについては、会員の皆さま、『にじボイス』を応援して下さっている皆さまからご批判を受けることは十分に承知致しております。
ご不便ご迷惑をおかけすることについては、弊社側の全責任であり、日本俳優連合様への誹謗中傷は、どうかお控えくださいますようお願いいたします。
と謝罪の意を示しています。
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日本俳優連合は11月19日にXを更新し、「にじボイス」に対して組合員の声優に酷似した音声コンテンツ20件の削除要請を送ったことを報告。「AI時代だからこそ、声優の皆さんが心から安心して演技に向き合える環境づくりを進めてまいります」とコメントしていました。
この投稿を見たXユーザーからは、
実際に学習はしていたのでしょうか?
この案内は「にじボイス」のサイトからは見つけられませんでしたが(探し方が下手なだけかな)
絵や文章・翻訳を手作りする人達の多くが
ずっと「こうなってほしい」と思っていた流れが一番最初に来てるのが
「声」ってことになるのかな…
声のそっくりさんを集めて学習させたらどうなるんだろ
など様々な意見が寄せられていました。
日本俳優連合は、株式会社Algomaticが提供するAI音声生成プラットフォーム「にじボイス」に対し、組合員の声優に酷似した音声コンテンツ20件の削除要請を、第2弾として提出しました。
AI時代だからこそ、声優の皆さんが心から安心して演技に向き合える環境づくりを進めてまいります。#日俳連
— 日本俳優連合(JAU・日俳連)公式 (@JAU_Official) November 18, 2025
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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