新システムの導入でどうなる? ゲリラ豪雨でのウーバーイーツ配達【チャリンコ爆走配達日誌】
ゲリラ豪雨の中でのウーバーイーツ配達についてお話します
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第110回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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今年の関東地方は梅雨明けが発表される前の6月下旬から最高気温が35度に迫る暑い日が続きました。
ウーバーイーツの配達員用アプリでは去年、今年とコカ・コーラの自動販売機と提携した「Uber Eats Pro | Coke ON 夏のキャンペーン」というイベントを開催。一定の配達回数を達成した配達員に自販機のドリンクをプレゼントするキャンペーンを行ないます。先日、この告知が届いたのですが、運営の方も予想以上に早く真夏のような暑さがやってきて驚いているのではないでしょうか。
ウーバーイーツ配達員向けのドリンクプレゼントキャンペーン
今回はそんな真夏日、猛暑日に起こるゲリラ豪雨の中で行なう配達についてのお話です。
先日書いた「雨の日のウーバーイーツ『徒歩配達』はどのくらい稼げる?」で、雨の日は自転車で配達しないと書きましたが、ゲリラ豪雨のある真夏は別です。特に夕方に降る雨は気温を適度に下げ、路面もすぐに乾きます。また、とてつもない雨が降るのはピンポイント。予報サイトの雨雲の予想を見ながら行動範囲を絞り込めば、ずぶ濡れになることを回避できます。さらにゲリラ豪雨の場合、普段の雨の日より高額のクエストが出ることが多く、1件の配達でクエスト込み1000円超えなんて時もあります。
そんなわけで、予報でゲリラ豪雨が出た日は雨の後の予想気温、雨雲の状況、クエストの金額を総合的に判断して配達しています。
ゲリラ豪雨の日に用意していくものは、商品のほかに手や顔を拭くための大量のタオル。レインコートは防水効果がありますが、店に商品を受け取りに行く際に脱がなければならず、脱着を繰り返すことで結局着ている服が濡れてしまうため、私は持っていきません。
ゲリラ豪雨は短時間で雨がやむことが多いので、配達の関係で雨雲を避けることができず、降りだした場合は雨宿りをします。配達を受けてから雨宿りをするときは、注文された方に事情を説明するメールを入れてから雨宿りを始め、雨足が弱まったら配達を再開します。基本は注文を受けている状況であれば小雨まで配達決行というスタンスで、ずぶ濡れになることを極力回避しています。
「自分で受ける決断をして配達をしているのに雨宿りするのは違うのではないか?」と感じる方もいらっしゃると思いますが、最近のゲリラ豪雨は前方が見えなくなるほどの量の雨が降りますし、ウーバーのリュックは皆さんが思うほど防水性がないので、このような判断をしています。
以上がゲリラ豪雨の日に行なっていた私の配達スタイルなのですが、困ったことが起こりました。
それが、4月7日から導入された「配達リクエストの再依頼システム」です。
以前「ウーバーイーツが導入した新システムの問題点を配達員目線で考える」で紹介したこのシステムは、配達依頼を受けた配達員のGPS情報が一定の時間動かない場合、その依頼が自動的にキャンセルされ、他の配達員に依頼が回されるというもの。
依頼を受けてから店に商品を受け取りに行くまでの間、配達員が一定時間動かなかった場合に起こりうるシステムですが、これが雨宿りしている時に発動する可能性があります。
幸い、この原稿を書いている時点では、商品を受け取りに行く途中で雨宿りするパターンはありませんが、今後はより一層、雨雲の状況の把握が必要となります。場合によっては、受けた注文をこちらから積極的にキャンセルすることが必要になりそうです。
先ほども書きましたが、最近のゲリラ豪雨は前が見えないほどの量の雨が降ることがしばしば。巨大なリュックは邪魔になることから店内への持ち込みを禁止している店が多く、とんでもない量の雨が降る屋外でリュックに商品を詰め込む作業を行なうこととなり、ビニール袋に入っていても商品が濡れてしまう可能性が高いです。
また、車でも事故発生のリスクが高い、ずぶ濡れの配達員が商品を手渡しする、置き配の場合でも商品を置いた周りがビシャビシャになる、といったことを考えると、ゲリラ豪雨が予想される日の再配達システムは停止した方がいいと私は思います。とはいえ、今の世の中、スケジュールがビッチリ詰まっていて時間に追われるように過ごす方も多いので、再依頼システムが停止されることはないでしょう。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明
記事提供元:週プレNEWS
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