「中古スマホでもいい」から「中古スマホがいい」へ!400万台突破で見えた“新常識”
新品スマホの価格高騰などにより、急速に拡大している中古スマホ市場。ICT市場調査コンサルティングのMM総研が発表した中古スマホ国内市場規模の推移・予測を参照しつつ、好調な売り上げの要因を探っていこう。

2024年度中古スマホ販売数は321.4万台!2029年度には400万台超えを予測

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、Webアンケートによるユーザー調査と中古端末販売事業者への取材などに基づき、2024年度の中古スマホ国内市場規模の推移・予測を発表した。
調査結果によると2024年度の中古スマホ販売台数は321.4万台(前年度比17.7%増)で、過去最高売り上げを記録。MM総研が2008年度に調査を開始して以来、2017年度と2018年度の2年間を除き、中古スマホ市場は右肩上がりで成長しており、2019年から6年連続で過去最高売り上げを達成したことが明らかになった。
中古スマホの好調な売り上げ要因の一つには、新品スマホの価格高騰が止まらないことにあるだろう。円安や物価高騰が続く中、新品に比べて大幅に価格が安い中古スマホは、経済的な負担を減らしたい消費者からの支持が高い。また、昨今のスマホ2台持ちというニーズや、環境保護意識の高まりから、スマホを長く使うという考え方の拡大なども、中古スマホ市場の成長を後押ししているようだ。
都心の一部店舗では海外旅行者による中古スマホ購入も増えてきているという。MM総研の調査では中古スマホ販売数は今後も伸び続け、2029年度には400万台を突破、2030年度には450万台規模になると予測している。
市場に大きな影響を与える、大手キャリアの認定中古品と端末購入プログラム

MM総研の中古端末取り扱い事業者への取材によると、中古スマホ市場で課題として挙げられるのは「端末仕入れ」。中古端末取り扱い事業者は、商品となる中古スマホの仕入れができなければ売ることもできないため、さまざまなキャンペーンを実施して端末を集めることに注力している。
そうした中古市場の状況下で、頭角を現してきているのが大手キャリアだ。大手キャリアは新品スマホを安くユーザーに提供する代わりに、一定期間後に端末を返却してもらうという端末購入プログラムを構築。従来よりも効率的に中古端末を仕入れている。それに加えて楽天モバイル(※2)を除く大手キャリアでは、中古品に対して一定の基準で検査や修理を行い、品質を保証した認定中古品を取り扱っており、販売台数を年々伸ばしている。※2:楽天モバイル自身は認定中古品を販売していないが、楽天市場(楽天モバイル公式 楽天市場店)で中古端末を販売している。
大手キャリアが販売する認定中古品の認知が広がり、中古端末のセキュリティや清潔感などに関するマイナスイメージが払拭されれば、スマホ購入の選択肢に中古を考える層が増えていくだろう。現在大手キャリアが回収している端末がどれくらい市場に流通していくかが、今後の中古スマホ需要に大きな影響を与えることになりそうだ。
出典:【MM総研】
※サムネイル画像(Image:AS project / Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
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