「“借金中”なのでお父さんに(笑)」 ルーキー都玲華はバーディ賞&ベスト新人賞の2冠で100万円ゲット
<明治安田レディスゴルフトーナメント 最終日◇20日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>
2打差からの逆転で初優勝を目指した最終日だったが、ルーキーの都玲華は、優勝した小祝さくらに2打及ばず6位タイで終戦を迎えた。伸ばし合いのなか、前半から足踏み。「後半には3パットをまたやっちゃって…。もったいなかったですね」。それでも自己最高位の6位という結果には「成長」も感じている。
今季2度目のトップ10入り。ただ8位で終えた5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」は、最終日に8打差を追いかけたもので、本格的な優勝争いは、この宮城での戦いが初めてともいえた。そこではやはり、これまでには感じたことのない感情も湧き上がってくる。
「(優勝を)考えないようにしても、打つまでの時間が長くなったり、すごく慎重になっているのは感じました」。このプレッシャーは、実際に体感しないと知り得ないもの。「終始ドライバーが左に飛んでいた。原因も左肩がいつもより左に来ていると分かっていても、勇気がないのか修正しきれなかった。勇気を持って修正できないと優勝は厳しい。いろんな発見ができました」。21歳にとって、貴重な時間が過ぎていった。
ただ、この大会では18個のバーディを奪い『最多バーディ賞』を獲得。それに加え『ベストルーキー賞』にも輝いた。それぞれ賞金50万円で、計100万円をゲットし、ニンマリ。自分への“ご褒美”について聞かれると、「すぐ使っちゃいそうだから、管理してくれるお父さんに渡します。たぶん『触るな』って言われます」と明るく笑う。4度目の挑戦で昨年のプロテストに合格。これまで親にも負担をかけてきた。「先行投資型で、今“借金中”。だからお父さんに返せます」。恩返しの気持ちも、その行動には含まれる。
「優勝の難しさ」を肌で感じ、またひとつ成長の舞台になった。“ガツガツ”と攻めすぎてしまう自分を抑え込むため、今大会は、一日2アンダーで回ればいいという『2アンダー理論』を意識し、それにも従った。ただ優勝がちらつき、「もっといきたいと思いながら。長いパー3の12番もボギーだったし、結果的に(一日)3アンダーで回れたけどもうちょっとできた」という反省も。この理論を意識しながら、結果的にそれを大きく上回るスコアを出す―。それが優勝のカギを握りそうだ。
続いて所属先の大東建託が主催する「大東建託・いい部屋ネットレディス」(24~27日、福岡・ザ・クイーンズヒルGC)がやってくる。「大東建託さんにニコッてして会えそうなのはうれしいです。アマチュア時代から契約してもらってるし、結果でいいご報告をしたい」。灼熱になることが予想されるコースで、ホステスプロとしての責任もまっとうするつもり。ここでは、サロンパスカップでもタッグを組んだ清水重憲キャディとタッグを結成。「資生堂・JAL レディスオープン」でも組んで予選落ちしているだけに、「リベンジも兼ねて頑張りたいです」と力を込めた。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。