「対策できてる?」という選手からの懸念の声も 爆竹、ラジオ…クマ出没→無観客開催の国内女子ツアー「安全」の具体案は?
<明治安田レディスゴルフトーナメント◇17日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>
開幕前日の16日にコース内で目撃されたクマの影響で、プロアマ、そして初日の競技が中止された大会は、きょう18日から3日間、無観客で開催されることが決まった。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長は「大事なのは安全対策」とその決意を示したが、どんな対策が講じられるのだろうか?
今回の開催に至った根拠として、「(コース内でのクマの)居住性が見受けられず、現在コース内にクマがいる可能性は極めて低い」、「目撃されたクマの痕跡を追跡した結果、ゴルフ場とは反対側の方向に向かっている」ことなどが挙げられた。だが、当然ながら100%の安全が保障されたわけではない。それは、急きょ、無観客試合になったことでも伝わってくる。
そんななか17日に発表された文書には、以下の安全対策実施項目が記されている。
・朝、夕に富谷市鳥獣被害対策実施隊(猟友会)がコース外周を見回る
・朝、夕にコース外周で爆竹を鳴らす
・コース外周付近にラジオを設置して競技開催中も音を鳴らす
・コース全周を囲っている獣侵入防止フェンス沿いに、獣が嫌う匂いを散布する
・コース内に監視員を配置する
・万が一、熊が出現した場合に備え、速やかに本部、選手、関係各所に連絡が取れる体制を整える
・万が一、熊が出現した場合に備え、コース内に緊急避難車両、緊急避難カートを配置する
動物の影響でラウンドが中止となるのは、レギュラーツアー初。もちろん、その影響を受けるなかで大会を実施するのも、前例のないできごとだ。今年の5月に石川県で行われた下部のステップ・アップ・ツアー「ツインフィールズレディース」最終日にもクマが出没し、競技中断後にラウンド中止へと追い込まれた。
不安や懸念をSNSで吐露する選手も。河本結は「難しい判断ですね… しっかりとした対策ができてる…?」と、その胸中をつづった。また菅沼菜々も、開催決定直後に「え、、明日からやるの?クマの足跡若干あるって、、え?」と泣き顔の絵文字を添えて反応したが、そういった声が出るのも決して不思議ではない判断とも言える。
専門家の助言も受け、選手、キャディ、関係者が無事3日間を過ごせるよう神経を張り巡らせることになる。実際に午前5時前から、コースに爆竹の音が響くなど、取り組みもスタートしている。小林会長は「地元の自治体や猟友会、警察の方々のご協力があってこそ。そことの連携が大事だと強く感じています」とも話しており、“安全第一”の大会が目指される。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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