1年半で飛距離が約30yアップ「ジャンボさんじゃなかったら…」 19歳アマ・萩生田みらんが感じた“成長”
<資生堂・JAL レディス 2日目◇4日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6766ヤード・パー72>
神奈川県川崎市出身の19歳のアマチュア・萩生田みらん(はぎうだ)が、地元開催の今大会に主催者推薦で出場した。
「初日はとても緊張しました…」と振り返るように、プロの舞台に慣れない中で、初日は7オーバー・113位と出遅れた。2日目も2バーディ・4ボギー・1ダブルボギーの「76」とスコアを伸ばすことができず、トータル11オーバーでフィニッシュ。104位タイで予選落ちに終わったが、本人の表情は晴れやかだった。
「キャディさんもすごく仲良くしてくれて、すごく楽しかったです。『あと5ホールしかないね…』なんて言いながら回っていました」。初日の緊張とは打って変わり、2日目は落ち着いてプレーを楽しむ余裕もあった。
萩生田は“ジャンボ”こと尾崎将司が主宰するジャンボアカデミー7期生だ。2021年の「日本ジュニア」(12~14歳の部)で優勝し、その後も「日本女子アマ」などで活躍。23年にはレギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーにも出場し、昨年は「KKT杯バンテリンレディス」(予選落ち)にも出場している注目アマチュア選手だ。
今大会には、特別な思い入れがある。「地元なので、1回目のときから観に来ていました。だから、こうして出ることができて本当にうれしいです」。かつてはロープの外から憧れの選手たちを見つめていた場所に、今年は“見られる側”として立った。
憧れのプロゴルファーを聞かれると、「“推し”とかって言うとおこがましいんですけど…」と照れくさそうに話すのは、2007年の賞金女王でツアー通算17勝を挙げた上田桃子。「1回話したこともあるんですけど、本当にかっこよかった。芯の強いプレースタイルで、桃子プロが言っていた『流れがこないときこそ、待つんじゃなくてガッツで攻めて引き寄せる』っていう言葉がすごく印象的で、私も意識しています」と、どんなことがあっても強い気持ちで戦うことの大切さを上田から学んだ。
萩生田は、昨年3月から“ジャンボ邸”に通い始めてから、大きな変化が現れた。「ドライバーの飛距離が、210~220ヤードから240~250ヤードに伸びました」と約30ヤードの飛距離アップ。その理由は、「とにかく3時間くらい素振りをやることも(笑)。ジャンボさんの言葉だからこそ、『素振りってこんなに大事なんだ』って思えましたし、ジャンボさんじゃなかったら言われないし、感謝しかないです」と語る。いまでも「1日1000回」を目標に素振りを続けているという。
この飛距離アップによって、プロの試合の距離設定にも対応しやすくなった。「セカンドショットの距離が変わって、だいぶ戦いやすくなった」と、成長を実感した2日間となった。
現在は現役大学生。プロテストを受験できるのは大学4年生以降だが、「日本女子学生とか、日本タイトルを取ればテストを受けてもいいよって監督に言われているので、まずはそこを目指したい」と着実にステップを踏んでいく構えだ。そして、ゴルフ人生における最終目標は「プロテストに合格して、レギュラーツアーに毎週出られるようになったら幸せです。最終的には世界タイトルを取ること。ただ行くだけじゃなくて、世界で活躍したい」と胸の内を明かす。
そのためには、「緊張しがちなところを克服したい。憧れの桃子プロみたいに、芯の強い、折れないゴルファーになれるように」と、技術だけでなく精神面の成長も見据えている。地元の舞台で経験した悔しさと手応え。それは、次のステージへ進むための確かな一歩となる。(文・高木彩音)
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