「再起動したけど直らない」はなぜ? Windowsに潜む“再起動とシャットダウンは別モノ”問題
X(旧Twitter)で話題になったのは、情シス担当としてのリアルな体験を描いた、筒井.xls@エクセル関数擬人化本著者(@Tsutsui0524)さんの投稿である。
情シス「パソコン直りましたよ」
製造部「一体どんな手を…!?」
情シス「再起動です」
製造部「それは我々も試したが、無駄だった」
情シス「再起動です」
この短いやりとりが、想像以上の共感を呼んだ理由は、「あるある」と頷く人が多かったからに他ならない。特にIT現場や企業の情報システム部門で働いた経験がある人ほど、「これは確かにある」と笑ってしまったに違いない。
だがこのやりとりには、笑いだけでなく、現代のWindowsが抱える“仕様の落とし穴”という重要な背景が隠されている。

昔の感覚で「再起動」しても意味がない?──Windowsの高速スタートアップ問題
かつてのWindows(XPや7など)では、「シャットダウンしてから電源を入れる」という行為は、事実上の“完全再起動”だった。システムを一度終了させ、次回起動時には新たなセッションが開始されるという流れが一般的であり、それによって不具合もある程度リセットされていた。
しかし、Windows 10以降は仕様が大きく変わった。導入されたのが「高速スタートアップ」という仕組みである。これは、シャットダウン時にカーネルとドライバ情報を保存しておき、次回起動時にその状態を“復元”するというものだ。
つまり、見た目には電源が完全に切れていても、内部的には「休止状態に近い」だけであり、根本的なエラーやドライバ関連の問題はリセットされない。その結果、「シャットダウン→電源オン」では再起動の代わりにならないという問題が発生する。
そしてこの仕様こそが、筒井.xlsさんの投稿が刺さる理由である。
“再起動”という儀式──誰がやるかで変わる効果?
筒井.xls@エクセル関数擬人化本著者さんの投稿に登場する製造部の人物は、「それは我々も試したが、無駄だった」と語る。これは、彼らが自分たちなりに再起動を試みたことを意味している。
しかし、実際に情シス担当が行った“本当の再起動”は、それとは違っていた。Windowsメニューから「再起動」を選択する、あるいはコマンドで shutdown /r /t 0 を実行する──そうした操作こそが、完全な再起動を意味する方法なのである。
表面的には同じ「再起動」でも、実際の動作はまるで異なる。シャットダウン→電源ボタンではダメで、明示的な再起動こそが必要な今、「昔ながらの感覚」で操作してしまう人ほど、この落とし穴にはまりやすいのが現実だ。
情シスが“魔法使い”に見える理由

パソコンが不調になると、「何をしても直らない」と感じる人は多い。そんなときに登場する情シス担当者は、どこか頼もしく、専門的に見える。だが、その対応の中身が「再起動」であると知ったときの落胆と、それでもなぜか直っているという事実。この“ギャップ”が、今回の投稿をより一層印象的なものにしている。
なぜ情シスが行う再起動は成功するのか?
理由は単純で、「今のWindowsで必要な“正しい再起動”の知識を持っているから」である。
筒井.xlsさんの投稿が注目されたのは、この知識の差と、操作の“精度”の違いを、笑いに昇華させて見せたからだ。
「再起動です」は、いまや深い意味を持つ言葉に
もはや現代のWindowsにおいて、「再起動です」というセリフは、ただのルーチン操作を示すものではなくなった。それは、システムの構造を理解し、正しく実行することの重要性を示すキーワードである。
再起動で直った──それは偶然でも奇跡でもない。正しい操作を選んだ結果に過ぎない。
今後、PCが不調になったときには、まず「シャットダウンして入れ直す」のではなく、「再起動」を選ぶことを忘れないようにしたい。
情シス「パソコン直りましたよ」
— 筒井.xls@エクセル関数擬人化本著者 (@Tsutsui0524) July 1, 2025
製造部「一体どんな手を…!?」
情シス「再起動です」
製造部「それは我々も試したが、無駄だった」
情シス「再起動です」
※サムネイル画像はスマホライフPLUS編集部作成
記事提供元:スマホライフPLUS
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