防衛関連分野スタートアップが事業発表 防衛装備庁や大手企業が参加
防衛やサイバーセキュリティー関連分野での事業展開を目指すスタートアップ(SU)11社の事業発表会が6月16日、東京都内で開かれ、同分野の国内大手企業9社をはじめ、投資会社や大手法律事務所、防衛装備庁などの関係者約80人が参加した。
この催しは、大手監査法人のEY新日本(東京都千代田区)とスタートアップに投資するベンチャーキャピタル(VC)のサイバーエージェント・キャピタル(東京都渋谷区)の共催。海外の主要国で人工知能(AI)や先端情報・通信システムをはじめとした先端技術の軍事活用が進む中、防衛・サイバーセキュリティー関連分野で独自技術の開発・展開を目指すスタートアップと、同分野の国内大手企業や防衛装備庁、投資会社や法律事務所などとの接点をつくる目的で開催した、という。
参加した国内大手企業はOKI、IHIエアロスペース、NTTデータ、日本製鋼所、セコム、日本電気、富士通など。投資会社はHERO、Impact Capital、グロービス・キャピタル・パートナーズ、三菱UFJキャピタルが参加した。法律事務所はTMI総合法律事務所の弁護士が列席した。
事業概要を発表したスタートアップの代表らは、国内防衛産業や官公庁・企業の情報セキュリティー強化に自社の技術、事業が貢献し得るポイントをスライドを使いながら割り当て時間の約5分間でアピールした。発表後は懇親会に移り、参加者で意見交換が行われた。
参加したスタートアップの一つ、東京大鳥海研究室発AIベンチャーTDAI Lab代表取締役CEO(最高経営責任者)の福馬智生さん(32)は「(他のスタートアップの)面白い取り組みを知ることができ、とても刺激を受けた」と話した。
大学を休学して防衛関連分野のスタートアップBulwark Dynamicsを今年立ち上げた同社COO(最高執行責任者)の椎名悠太さん(22)は「自律型の低視認の無人艇事業に取り組み、太平洋地域の安全保障や離島間輸送などに貢献して、社会的にインパクトを与えていきたい」と述べた。


この日の事業発表会を共催したEY新日本の片倉正美理事長は「スタートアップのアイデアがこの分野のより一層のイノベーション(技術革新)に生かされるよう後押ししていきたい」、サイバーエージェント・キャピタルの近藤裕文代表取締役社長CEOは「今回の催しが、この分野のスタートアップへの発注だけでなく出資に向かう第一歩になれば」と話した。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。