勝みなみを襲った深夜の災難「マジか…」 それでも新1Wを武器にガマンのプレー
<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 3日目◇21日◇フィールズランチ・イースト(テキサス州)◇6604ヤード・パー72>
午前9時37分のティオフに備えて、すやすやと眠っていた深夜2時半すぎ。ホテルの火災報知器が鳴り響き、勝みなみはたたき起こされた。「え、なに? みたいな。寝ぼけているから何が起きたのか分からなかった。とりあえず外に出て様子を見ないと」。ほかの宿泊者と同じく部屋を出て、駐車場に避難した。
その間は“虎テレ”で応援するプロ野球・阪神タイガーズの試合を観戦して過ごし、鳴り止んだことを確認して、部屋に戻った。それでも数十分おきに警報は鳴り、ちゃんと寝られたのは「1時間弱くらい」。大事なメジャーのムービングデーを翌日に控えた夜中の出来事には、「マジか…」と困惑を隠せなかった。
体調面にも不安がありながらのティオフだったが、「コースに入ったらもうそれどころではなかった」。メジャーというセッティングに暑さ、そして最大瞬間風速は11m/sを超える強風も加わり、ムービングデーはより過酷な一日。前半では5ボギー(2バーディ)と落とし、目の前の状況に対応するのが精一杯だった。
それでも折り返し直前の9番、残り241ヤードから5番ウッドで2オンさせてバーディにつなげたことをきっかけに、流れを取り戻した。後半はイーブンパーで回り、4バーディ・7ボギーの「75」でトータル7オーバー・35位タイ。「前半のボギーが効いている。しょうがない。よく粘った」と話した。
かねて低い球で左に曲がるドライバーのミスに悩んでいたが、これは開幕前に解決した。契約するダンロップの最新モデル『ZXi』を今週から投入。これまで何度もテストは行っていたが、ヘッドのウエイトの調整などによって、手に馴染む一本が出来上がった。
「めちゃめちゃ安定してます。いいショットも増えている。ドライバーがいいと気持ちも乗ってくるので替えてよかった」。今季ここまでのフェアウェイキープ率は65.26%だが、この3日間は76.19%。フェアウェイキープがより大事になるメジャーだからこそ、その恩恵は大きい。
「最初のほうはうまくアジャストできなくて、後半に入ってだんだんと慣れてくるのが今週の自分のスタイル。対応するのがちょっと遅いなとは思いますが、こんなに強い風が吹かないことを願って、もっといいプレーができるように頑張りたい」。それと同時に、今夜はなにも事件が起こらないことも祈りたい。(文・笠井あかり)
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