「厳しい世界」で目指したリランキング突破 ルーキー・都玲華は“勝負の夏場”へ新シャフト投入も
<ニチレイレディス 事前情報◇19日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6594ヤード・パー72>
今大会が終わると、国内女子ツアーは非シード選手を対象にし、QTで決まった優先出場順位をシーズン中に入れ替える『第1回リランキング』が実施される。ここまでのメルセデス・ポイントを基に、夏場の出場試合数が決まる制度は、日本女子プロゴルフ協会では2018年から導入されている。
その“恩恵”を得られるひとりに、ルーキーの都玲華がいる。プロテスト後に行われた昨年末のQTは、まだアマチュアだった同年4月のステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」優勝の権利によって、最終からの出場になったが53位と上位に入ることができなかった。QTランク的に、今季開幕時は下部ツアーが主戦場になる位置。しかし、その逆境をはねのけた。
実際にステップ・アップ・ツアーも3試合に出場したが、推薦も駆使してレギュラーツアーもこれが8試合目。5月のメジャー大会「ワールドレディスサロンパスカップ」で8位になったことで、大会のリランキングは16位につけている。例年通りであれば、ここで少なく見積もっても30位以内に入っていれば、夏場の試合はフル出場することが可能となる。
限られた試合で結果を残したわけだが、この3カ月について本人も「QTがうまくいかなかった私にチャンスを与えてくれて、それをつかみきりたいという気持ちはありました。そうしていかないと厳しい世界だと思うし、すごくいい経験をさせてもらえた」と振り返る。やはり、メジャー大会で得た88ptは大きく(今季累計133.67pt)、勝負強さも発揮した春ともいえた。
ここからは、しっかりと腰を据え、「シード入りと今年中に初優勝」という目標に向かっていける。ニチレイの会場では、この後の夏場も見越しての調整にも余念がない。そのひとつがクラブ面。女子ツアーでは、2週前の「ヨネックスレディス」から会場に投入されているグラファイトデザインの新作シャフトを今週の会場でテストし、即投入へ気持ちが大きく傾いている。
「去年の7月頃から(ツアーAD)GCを使っているんですけど、気温が上がって振れるようになったからか、少し球が高くなっていたんです。それを相談したら、新しいのはどうかなと言われ試させてもらいました。前のものが少し軟らかく感じていたけど、ちょうどいい硬さに感じ“バチッ”て合いました。しなり感や、振った感覚も合ってますね」
テストを行った時から、シャフトに鉛を貼るなど実戦向けに調整し“自分仕様”にも仕上げた。開幕前日のプロアマで最終確認。あとは本番で使うか決めることになる。「夏になって、スイングにも違いが出てくる。それに合わせて(クラブを)組んでくれるのはありがたいですよね」。迅速な対応への感謝も胸に、さらに力を発揮できるよう工夫を施していく。
メルセデス・ランキングも現在55位。シード圏の50位以内をしっかりと視野に入れながら、中盤戦を過ごしていけそうだ。「私は、まずは目先の目標をクリアしながら…という感じで生きているので、そういう意味ではよかったです」と、リランキング突破を目標にしてきた前半戦は確実に力になっている。ここからは腰を据え、一年がかりのターゲットを追いかけていく。(文・間宮輝憲)
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