あとわずかで逃した五輪メダル「悔しい結果に…」 山下美夢有が泣かされた“16番の悪夢”
<パリ五輪 最終日◇10日◇ル・ゴルフナショナル(フランス)◇6374ヤード・パー72>
14番、15番の連続バーディで、トータル7アンダーの2位タイと再びメダル圏内まで浮上した。それだけでなく首位のリディア・コ(ニュージーランド)も2打差の射程圏にとらえたが、その直後、山下美夢有に“悪夢”が訪れた。
実測146ヤードの16番パー3で、ティショットがグリーン手前に待ち構えた池に吸い込まれた。その後の3打目は3.5メートルまで寄せたが、ボギーパットは決まらず、ここで再び“圏外”に後退。「きょうは9番と16番でもったいないダボを打ってしまった。特に16番のショットは悔やまれるホールだったなと思ってます」。一度メダルの姿がはっきりと見えた直後だっただけに、あまりに手痛い一打になってしまった。
首位と2打差でスタート。2番でバーディを奪うと、ここでトップに並んだ。しかし金メダルを狙った一日は、なかなかショットが安定せず、思うようにチャンスが作れない。フェアウェイキープ率は3日目と同71.43% (10/14)ながら、パーオン率は55.56% (10/18)と4日間でワーストの数値に。それが6、7番の連続ボギーや、9番のダブルボギーという形であらわれる一進一退の18ホールだった。
とはいえ初めての五輪で、最後までメダルを争う位置で戦うことができたのは財産になる。「すごい緊張感があって、楽しくプレーできたと思う。悔しい結果になってしまったが、これを次に生かせるように準備して頑張りたい」。次の五輪は27歳で迎える2028年ロス大会。そこで雪辱を―、こんな思いも芽生える。
池が絡むホールが多いコースで、他の選手たちも手を焼くなか山下もそれに泣かされることに。ただ日本の女王の力は世界に見せつけた。「最近は調子が上がらず苦しい状況が続いていたけど、やっとこのオリンピックで自分らしいプレーができてきた」。今後の戦いに向けてもこの4日間は糧にもなる。
「自信になるショットも多くあったし、それをプラスに考えて足りない部分を練習して次に生かしたい」。あと一打でも多く積み上げていれば、メダルの可能性もあった。最終18番パー5も2オンに成功してイーグルパットを打つなど、最後まで見る者の期待感を消すこともなかった。あとわずか。その“誤差”を埋めるため、クラブを振っていく。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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