「チャンスはかなり残っている」 “後輩”松山英樹への期待感【谷原秀人の目】
<全米オープン 初日◇12日◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372ヤード・パー70>
ゴルファー世界No.1を決める戦いは第1ラウンドが終了した。日本勢は5人が出場。「マスターズ」に続くメジャー2勝目を目指す松山英樹は4オーバー・62位タイ発進だった。その様子を、プロはどう見たのか? 大会を独占配信しているU-NEXTで松山英樹の全ホールを見せる『松山英樹徹底マークチャンネル』の解説を務めた谷原秀人に、第1ラウンドを振り返ってもらった。
■18ホールを徹底解説 修正ポイントは
全米でもっともタフと呼ばれるオークモントCC。初日の平均ストローク『74.640』のなか、松山は1バーディ・5ボギーの「74」でプレーした。前半はチャンスを生かしきれずに3ボギー。後半はアウト唯一のパー5の4番でバーディを奪ったが、3パットなど2つのボギーを喫した。
「序盤はいいスタートが切れたなと見ていました。なかなかパターは決まらなかったですが、いいストロークはできていた。ショットはちょっとつかまっている部分が多く見られましたね。左のミスが目立ち、思ったようなフェードが打てていなかったような印象です。自分の思う感触まで“あともうひとつ”という気持ちがあると思います」
大会前から首にテーピングをする姿があったが、この初日も大きく気にするような素振りはなかった。体調面は引き続き心配されるところだが、谷原にとっては球をつかまえるよりも、左のミスを逃がしてあげるほうが修正しやすいと話す。
「首の状態もありますし、そこは体調を見ながらでもあると思いますが、修正はしやすいと思います」
■2016年大会で実際にプレー コースの印象は?
オークモントでは10回目の開催。前回の2016年大会は、谷原も現地でプレーした(51位)。コースを良く知るからこそ細部にまでおよぶ解説が行われたが、9年ぶりにコースを見て、どのように感じたのか。
「ラフのプレッシャーはかなりあります。フェアウェイの幅が25ヤードくらいあるとはいえ、それ以上に狭く感じる。初日はグリーンがまだソフトだったのでこういうスコアになっていますが、これが硬かったらアンダーパーはなかなか生まれてこない」
初日の首位は4アンダーでアンダーパーは10人。16年大会は優勝スコアがトータル4アンダー、トータルアンダーパーはわずかに4人だった。
「今週は雨予報もちらついているので、(残る)距離も変わってくると思いますし、グリーンの状態も変わってくる。全体のスコアを見てもやはり伸びるコースではないですし、チャンスはかなり残っていると思います」
■残り3日間、松山に期待すること
ボギー5つのうち、3つはティショットがラフにつかまってレイアップを強いられたもの。この日のフェアウェイキープ率は50%(7/14)だった。
「思ったより距離が出ていなかったり、自分の体調的に思い切り振り切れていない分、レイアップも多かったんだと思います。もうちょっと攻められたんじゃないかなと思う部分もあります。(松山は)アイアンショットが得意な選手。大前提でフェアウェイキープさえすれば、確実に上に上がってこられるのでは、という期待はあります」
全米は13年連続13回目、メジャー大会としては通算50回目の出場で日本勢最多を更新した。東北福祉大の“後輩”のプレースタイルは谷原もよく知っている。「決勝ラウンドに入ったときの集中力は優れているものがある。そこにも期待したいですね」とエールを送った。
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