ダイヤモンド世代の3人がツアー史上初の最終日最終組で優勝争い 七夕決戦の勝者は?
<ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ 3日目◇6日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6667ヤード・パー72>
ツアー史上初となる同学年の日本選手3人による最終日最終組が、ついに実現した。2003年度生まれの尾関彩美悠、櫻井心那、そして通算3勝目に王手をかけた川崎春花の3人が、いずれも今季初Vをかけて激突する。
組み合わせの記録が残る2002年以降、同学年の最終日最終組は16年「ほけんの窓口レディース」の申ジエ、キム・ハヌル、イ・ボミ(いずれも韓国)以来6度目だが、全員日本人は初めて。7バーディ・2ボギーの「67」で回り、4位から2位に浮上した尾関は「たぶん、初めてですよね」と自分たちの世代では初めだというのは理解していたが、あらゆる世代を通じて初のグルーピング。1998年度生まれの黄金世代でもできていないことを、21年11月の最終プロテストに合格した3年目の先鋭たちがやってのけた。
首位と5打差の4位から出た尾関はムービングデーにふさわしいチャージを見せた。スタートの1番パー4で4メートルを沈めて流れに乗ると、4番パー4は6メートルを流し込み、5番は残り150ヤードの2打目をピンそば1メートルにつけて勢いをさらに加速させた、後半も15番パー4で9メートルをねじ込むなどスコアを2つ伸ばし、順位を2位に上げた。それでも「1.5メートルのバーディパットを2回連続で外したり、パットが一つも入らなかった。3メートルから3パットもしたし」とパット数「30」に不満顔。最終日の同世代決戦に向けて修正を誓った。
今大会はエントリーを忘れるうっかりミスでシード選手ながら主催者推薦で出場している。4打差を逆転し、ツアー初優勝したルーキーイヤーの22年9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」以来となる2勝目をつかめば、ツアー史上6人目の主催者推薦V(海外招待、アマチュアを除く)。当然ながら過去にシーズンを通して出場権のあるシード選手が主催者推薦で優勝した例はなく、うれし恥ずかしの史上初の珍事もついてくる。
プロアマ大会が行われた3日には主催者に推薦をもらったお礼のあいさつをした。初Vまでのプロ1年目以来の“儀式”に「久しぶりで、新鮮な感じでした」と照れ笑い。「毎週頑張ろうと思ってやっているけど、今週は特に気が引き締まるというか、悪いショットが出ても、ここでくじけちゃダメだと思って頑張ることができる」と気持ちはいつも以上に充実している。
昨年4勝を挙げてブレークした櫻井は4バーディ・1ボギーの「69」で回り、尾関には並ばれたが2位をキープした。朝からの強風と、断続的に降り続けた体温を奪った冷たい雨。唯一のボギーとなった17番パー3は前の組がプレー中で、ティイングエリアで15分ほど待たされたことで、集中力が途切れたと反省したが、「頑張ったと思います。第2ラウンドの後半もこんな感じだった。耐えようと思った」と自らに及第点をつけた。
トップを走る仲良しの川崎との差はスタート前の3打差から4打差に開いた。「1打でも縮めたいと思っていたけど、結果的に離された。そこは悔しいところだけど、きょうのことはきょうで忘れて、明日また60台を目指して、自分の流れが来るのを待ちたい」。今季はここまで16試合で一桁順位はなく、初の優勝争い。昨年9月の「ゴルフ5レディス」以来となる最終日最終組に、こちらも気合は入っている。
ダイヤモンド世代の3人による七夕の頂上決戦。最後に笑うのは果たして…。(文・臼杵孝志)
【同学年の最終日最終組】
・2010年 ゴルフ5レディス
飯島茜、イム・ウナ、上原彩子(83年度)
・2014年 ダイキンオーキッドレディス
川満陽光理、テレサ・ルー、穴井詩(87年度)
・2014年 ヤマハレディース葛城
笠りつ子、アン・ソンジュ、吉田弓美子(87年度)
・2014年 フジサンケイレディス
原江里菜、アン・ソンジュ、笠りつ子(87年度)
・2016年 ほけんの窓口レディース
申ジエ、キム・ハヌル、イ・ボミ(87年度)
・2024年 ミネベアミツミレディス
川崎春花、櫻井心那、尾関彩美悠(2003年度)
【主催者推薦V】
・1990年 大王製紙エリエール 村井真由美
・1992年 安比高原レディース 肥後かおり
・1998年 カトキチクイーンズ 上田珠代
・2023年 アクサレディス 山内日菜子
・2024年 アクサレディス 臼井麗香
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