【20回目のプロ野球交流戦はここを見逃すな!!!】投手も野手も豊作！　今、顔と名前を覚えておくべき"新人"は!?（Part.3）

5月に1軍デビューした中日・金丸。「来春のWBCメンバーに選ばれて当然」（お股ニキ氏）

今年で20回目を迎えるプロ野球セ・パ交流戦が6月3日に開幕する。対戦相手が変わり、流れも変わる約3週間の熱き戦いを思う存分楽しむために押さえておくべきキーポイントを一挙紹介！【プロ野球セ・パ交流戦2025ワイド】

※成績は5月27日時点

＊　＊　＊

若手が名を売るチャンスでもある交流戦。今季の新人王有資格者で、交流戦での活躍が楽しみな選手は誰なのか？

セ・リーグ勢では、4球団が競合指名した金丸夢斗（中日）が腰痛で出遅れたものの、やはり別格の存在だという。

「シンプルにモノが違う。来春のWBCメンバーにも選ばれて当然の実力があります」

同じドラ1左腕では、防御率1点台の好投を続ける伊原陵人（阪神）にも注目する。

「金丸を外して指名したのが伊原でしたが、阪神球団が好む実戦向きの投手です」

伊原と同じく、社会人出身左腕として活躍するのがヤクルト3位入団の荘司宏太。コンディション不良で登録抹消されるまで、デビューから11試合連続無失点を続けた。

「とにかくチェンジアップがすごい。まるで止まるようなブレーキ感。ただ、チェンジアップを多投しすぎると衰えも早くなるので、ストレートを磨くことも重要です」

育成出身で支配下3年目の宮城滝太（DeNA）も防御率0点台の好投を続けている。

「もともと変化球のセンスは抜群でしたが、そこに球の強度も加わり、1軍で通用するレベルに。特にカーブとフォークが効いています」

さらに、高卒3年目の捕手、松尾汐恩（DeNA）の名も。昨季は日本シリーズでもマスクをかぶった逸材だ。

「ここまで規定打席未到達ながら打率.367、3本塁打。打撃はもう少し時間がかかるかと思っていましたが、球団の指導の成果か、腰の回転が速くなった。さらに守備も良く、トレバー・バウアー相手にも『今日は球が来ていない』と直言できる度胸もあります」

松尾の急成長はDeNAの捕手競争に拍車をかける。

「松尾に刺激され、正捕手の山本祐大の打撃も良化。さらに、経験豊富な戸柱恭孝や伊藤 光も控えており、松尾がサードで出場する機会も増えるかもしれません」

セ・リーグ以上に若手の活躍が目立つパ・リーグ。日本ハムでは高卒4年目の達 孝太、大卒2年目の細野晴希のドラ1コンビが本格稼働だ。

「登板数は少ないものの、ふたりとも防御率0点台。ポテンシャルは高いだけに、ようやく出てきた感があります」

日本ハムではもうひとり、新人王資格こそないものの、台湾出身の24歳右腕、古林睿煬の投球を称賛する。

「ストレートの指標は同僚エースの伊藤を抑えてNPB1位。日本ハムは伊藤、金村尚真、北山亘基、山﨑福也、加藤貴之の盤石な先発5枚がいるので、成長株の達、細野、古林は登板間隔を空けながら投げられるのも利点です」

その日本ハムとチーム防御率で1位を争う西武では、育成出身で支配下2年目左腕の菅井信也、高卒3年目右腕の山田陽翔に注目する。

「菅井は先発ですでに4勝。球は速くないものの、伸びのある速球が魅力。山田は高校時代に甲子園11勝の力投型でしたが、今は千賀滉大（メッツ）を凌駕する軌道のフォークを武器に、中継ぎで防御率0.00と活躍しています」

ソフトバンクの注目株は、大卒3年目左腕の松本 晴、大卒育成10位から這い上がった支配下2年目左腕の前田 純だ。

「松本は今季中継ぎで12試合に登板し、防御率0.00。多くのファンが『先発で見たい』と願ってきましたが、ようやく転向しました。前田は縦の変化量が大きい〝マジカルストレート〟が魅力です」

貧打に悩むロッテで奮闘するのは、20歳になったばかりの木村優人と、間もなく21歳の田中晴也の右腕コンビだ。

「木村は高校時代からフォームと球筋が良く、スラッターは抜群。プロで1年鍛えたことで体が強化され、いい球筋のまま150キロ台が出るように。田中もスラッターとスプリットを駆使するタイプで、ストレートも指標、球質共に良好です」

4月には6試合連続マルチ安打を記録した西武・渡部。「アーチ連発で頼もしい」（お股ニキ氏）

一方、野手ではドラフト前からお股ニキ氏が注目していた渡部聖弥（西武）が打率1位を争う好調ぶりだ。

「『プロで通用するスイング』と言っていたとおり。打球角度的に本塁打は増えないかもと指摘した途端、奮起したようにアーチ連発で頼もしい。この選手が2位指名で残っていたのが改めて不思議です」

渡部とは広陵高校時代の同期で5球団競合のドラ1、宗山 塁（楽天）はどうか？

「やはりいいモノを持っていてスター性も十分。なかなか勝てない楽天でそのスター性に磨きをかけられるか」

日本ハムの野手では、現役ドラフトでソフトバンクから獲得した吉田賢吾がすでに4本塁打を放っている。

「移籍時に『活躍する』と指摘したとおり。長打力の指標は岡本並みで、新庄監督も『落合博満さんのようにライト方向へ長打を打つ感覚がある』と絶賛しています」

さらに、大卒2年目捕手、進藤勇也の名前も挙げる。

「フレーミング技術もあり、細野の好投を導くなど配球もいい。すでにベテラン捕手のような風格があります」

若手捕手ではロッテの高卒2年目、寺地隆成に注目する。

「寺地の魅力はとにかく打撃。『そんなに飛ぶの!?』と理解が追いつかないほど反対方向へ飛ばします。捕手になったのが高校2年からと経験が浅く、守備では課題もあるだけに、今後はコンバートの可能性もあります」

交流戦で奮闘し、新人王争いのレースから一歩抜け出すのは誰なのか？

文／オグマナオト　写真／時事通信社