“今年イチ”のやわらかグリーンで狙うは毎ホールピンデッド ただし厄介なポイントも…【大西翔太のSHOWTIME】
<ヨネックスレディス 初日◇6日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6339ヤード・パー72>
今週の国内女子ツアーは新潟が舞台になる。先週の海外メジャー「全米女子オープン」に出場した選手も一部戻ってきて、熱戦に期待だ。その3日間の展望を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が占う。やはり、世界ランク9位の“あの人”は気になるようで…。
■グリーンは軟らかいけど目が厄介
朝霧ジャンボリーGC(静岡県)で行われた2023年以外は、1999年の第1回大会から眼前に日本海を望むヨネックスCCが舞台になっている。選手たちは、おなじみのコースに帰ってきたわけだが、その特徴について大西氏は、「今年イチ、グリーンが軟らかい。キャリーで止まるし、FWで戻ってくるくらい。毎ホール、ピンをデッドに狙っていいです」と話す。それもあり、優勝予想スコアは昨年の新垣比菜が出した14アンダーを1打上回る「15アンダー」に設定した。
とはいえ、無条件でそのスコアが出るわけもなく、当然、警戒するポイントもある。まずは、季節柄、芝の生えかわりによりラフに点在する穂。ここに入れると、グリーンが軟らかくても、距離感が合わせづらくなる。「フェアウェイをキープしながら。無理してドライバーを持つ必要はないです」。このあたりのマネジメントが大事になる。
この要マネジメント力には、こんな理由も。「両サイドがOBというホールが多いんです」。海から吹き込む風も手伝い、ティショットが勝負の命運を握る。
これに加え、「グリーンに目がないホールと、強いホールが混在する。見た目では分かりづらいから厄介なんです」という注意点も。「これを練習ラウンドでつかめているか。傾斜通りに転がらない場所も多々あるし、そこで入らないからといって気持ちを切らさないこと。割り切ることが大切です」とも言い切る。そして、「ここは方向性です」とショットメーカー有利と話す。
■ワールドクラスの実力を見たい!
これを踏まえ、今週の本命として真っ先に挙がった名前が小祝さくら。全米女子オープンから戻ってきた選手のひとりだ。そこに佐久間朱莉、そして金澤志奈も加える。
「上位に行くには理由がある。この3人は、練習場で見ていても球が伸びています。今週のグリーンは、沈むようなボールだと止まってしまう分、苦労するはず。伸びる球が必要だと思っています」
佐久間は、2週連続優勝がかかった先週は予選落ち。金澤は先週をオフにし臨む試合だが、「佐久間選手は予選落ちがいい休養になった。優勝のあとは疲れますから。金澤選手もリフレッシュしたのか、上半身の力が抜けているように見えました。すごくいいプレーをしそうです」と、その空白が奏功すると見ている。
そして、「キム・ヒョージュ選手」という名前も忘れない。メジャー1勝を含む米ツアー7勝を誇り、世界ランクで9位につける実力者だ。今大会には19年以来、6年ぶりに出場するが、やはり期待値は高い。
「まずは小技が天才。ショットメーカーだし、何よりもワールドクラスの選手ですし、あっさり負けて欲しくない。日本の選手にはしっかりついていってもらい、何かしらを吸収して欲しいです」
前回、ヒョージュが出場した19年大会を制したのは上田桃子だった。初日の1番ホールで、ティショットが左へのOBになり、トリプルボギーを叩きながらも、最後は2位だったヒョージュらに6打差をつけ圧勝。これが象徴するように、「最後まで諦めない気持ちを絶やさずに」ということを大西氏は期待する。それだけチャンスも訪れる大会だ。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツへと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。また現在、安田祐香の指導にもあたっている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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