【20回目のプロ野球交流戦はここを見逃すな!!!】歴代MVPはレジェンドばかり! 今年の"交流戦男"は誰になる!?(Part.2)
今年で20回目を迎えるプロ野球セ・パ交流戦が6月3日に開幕する。対戦相手が変わり、流れも変わる約3週間の熱き戦いを思う存分楽しむために押さえておくべきキーポイントを一挙紹介!【プロ野球セ・パ交流戦2025ワイド】
※成績は5月27日時点
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■投手はMVPを受賞しにくい?昨年は、現役ドラフトで移籍1年目の水谷 瞬(日本ハム)が元同僚の近藤健介(ソフトバンク)を抑え、交流戦首位打者&MVPを受賞した。
水谷はこの大活躍で一気にスターダムを駆け上がったが、新鋭が交流戦MVPに輝くケースは非常にまれ。過去の受賞者を振り返ると、岡本、村上宗隆(ヤクルト)、山本由伸(当時オリックス)と侍ジャパン組が並び、それ以前もレジェンドがズラリとそろう。
「約3週間のスパンで、普段は戦わない球団の主力級相手に結果を出せるのは、やはり投手も打者も〝本物〟だけ。2016年MVPの城所龍磨(元ソフトバンク)のような脇役タイプの受賞例もありますが、あくまでもレアケースです。昨季受賞した水谷も将来的にMLBを目指せるポテンシャルの持ち主ですから」
となると、今の球界で交流戦MVPにふさわしいのは?
開幕からここまで防御率0点台の好投を続ける西武・今井。「日本球界で別格」(お股ニキ氏)
「まずは日本球界で別格の投球を続ける西武の今井。軽く投げて150キロ台を計測するだけでなく、5月24日の登板ではピンチで159キロと160キロを連発し、スラッターも決めきりました。ここぞの場面でギアチェンジできるため、今季は得点圏被打率.031(32打数1安打)と圧倒しています」
さらに、防御率1点台のリバン・モイネロ(ソフトバンク)、ケイ、ジャクソン(共にDeNA)のほか、阪神の才木、村上頌樹、ジョン・デュプランティエに注目する。
「デュプランティエはMLB時代の指標も良く、『阪神で制球力とフォークを磨けば面白い』と開幕前から予想していたとおりでしたね」
注目投手の中でも、交流戦を得意とするのが才木だ。
交流戦で無双中の阪神・才木。「パの打者が苦手なフォークを武器にするタイプ」(お股ニキ氏)
「才木は昨季の交流戦で3戦3勝、防御率0.38。一昨年は3戦2勝、防御率0.00。パの打者が苦手なフォークを武器にするタイプであることも活躍できる要因です」
そんな才木でも、昨季は優秀選手賞こそ受賞したものの、MVPには届かなかった。
「MLBでは毎日試合に出る野手のほうがシーズンMVPを受賞しやすいですが、日本球界もMLBっぽくなってきたと言えるかもしれません。ただ、投高打低だからこそ、際立った投球ができれば投手にも可能性はある。
交流戦でノーヒットノーランを達成した昨季の大瀬良大地(広島)や22年の今永昇太(当時DeNA)ら、普段対戦しない相手には大記録が生まれやすいと思います」
もうひとつ、交流戦で好成績を残すための投手の心得をお股ニキ氏は指摘する。
「知らない相手だからと、〝折衷案〟でスライダーを投げるとまず打たれます。力強いストレートか、フォーク系でしっかり落とすか。中途半端な中間球は禁物です」
続いて、MVPを受賞しやすい野手の注目選手を見ていこう。「今や注目打者はセ・リーグに多い」と語るお股ニキ氏はセの3人に注目する。ひとりはリーグ首位打者を争う来日1年目、サンドロ・ファビアン(広島)だ。
「私が以前から指摘する日本球界に適したスイングである、『バットを寝かせた構えからの横振り』ができています」
そして、本塁打数で1位を独走する佐藤輝、打点ではその佐藤輝と1位を争う森下の阪神勢にも注目する。
「今季の森下と佐藤輝は、コンビとして考えると球史に名を残すレベル。森下は一時期の絶好調モードから落ち着いてきたものの、打撃技術は相当高い。
佐藤輝は今季、8割の力でも飛ばす感覚をつかんだのが大きい。投手が全力で160キロを目指すよりも、少し抑えた150キロ台中盤で制球良く投げたほうが安定した投球ができる、という感覚に似ています」
今年は投手がMVPを受賞するのか? それとも、やはり野手なのか? 〝新・交流戦男〟の座をかけた真剣勝負を期待したい。
文/オグマナオト 写真/時事通信社
記事提供元:週プレNEWS
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