終戦80年企画 戦争の意義を苛烈に問いかける衝撃作 「ジョニーは戦場へ行った」「野火」4K版メインビジュアル・予告編解禁
終戦80年を迎える今夏、戦争映画不朽の名作2作品「ジョニーは戦場へ行った」「野火」が8月1日(金)公開が決定。『戦争の悲惨さ』『人間の尊厳』を描き、国内外の映画賞を多数受賞した2作品が4K版初披露となる。メインビジュアル・予告編が解禁となった。
「ジョニーは戦場へ行った」は、第一次世界大戦時に身体のほぼ全ての器官を失った青年兵士の視点から戦争の闇を暴いた反戦小説を、「ローマの休日」「黒い牡牛」などを生み出したダルトン・トランボが自らの脚本・監督で映画化。「野火」は、自身の戦争体験を基にした大岡昇平による戦争文学を、「犬神家の一族」「ビルマの竪琴」などの市川崑監督が、脚本・和田夏十とタッグを組み1959 年に映画化。第二次世界大戦下、フィリピンのレイテ島を舞台に、病魔に侵された中年兵士が飢餓と孤独に苦しんだ末、目の当たりにした陰惨な戦場を描く。
〈鴻上尚史(作家・演出家)コメント〉
50年以上前に公開された「ジョニーは戦場へ行った」も65年以上前に公開された「野火」も、まったく古びることなく、ますます現代に必要な、今見る価値のある映画になっていることに衝撃を受ける。若い世代にぜひ見て欲しい。
終戦80 年企画「ジョニーは戦場へ行った」4K
Story
ジョーが目を覚ますと、病院のベッドの上に横たわっていた。第一次世界大戦下、志願してヨーロッパ戦線に出征したアメリカ兵の彼は、砲弾により目、鼻、口、耳を失い、運び込まれた病院で両腕、両脚も切断。首と頭がわずかに動き、皮膚感覚だけが残ったが、姓名不詳の<407 号>と呼ばれ、軍部の実験材料として生かされる。鎮痛剤を打たれ意識が朦朧とする中、ジョーは想いを巡らせる。最愛の恋人カリーンとの出発前の一夜、釣り好きだった父親と過ごした日々……。
出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ジェイソン・ロバーズ、ダイアン・ヴァーシ、ドナルド・サザーランド
原作・脚本・監督:ダルトン・トランボ『〔新訳〕ジョニーは戦場へ行った』(角川新書/KADOKAWA 刊)
製作:ブルース・キャンベル 撮影:ジュールス・ブレンナー 編集:ミリー・ムーア
1971 年/アメリカ/112 分/カラー・モノクロ/ビスタ
©ALEXIA TRUST COMPANY LTD.
終戦80 年企画「野火」4K
Story
第二次世界大戦末期、フィリピンのレイテ島。日本の敗北が濃厚な状況下で、肺病を患った一等兵・田村は部隊から追い出され、病院からも食糧不足を理由に入院を断られる。病院の前で、田村は同じく厄介者として見放された若い兵の永松、足の負傷で歩けなくなった中年兵の安田と出会う。病院が襲撃され、一人逃げた田村は、飢えに駆り立てられるように熱帯のジャングルを彷徨う。途中、別の部隊に同行するが、米軍の一斉砲撃により他の兵士たちは全滅し……。
監督:市川崑
原作:大岡昇平『野火』(角川文庫/KADOKAWA 刊)
脚本:和田夏十 撮影:小林節雄 音楽:芥川也寸志
出演:船越英二、ミッキー・カーチス、滝沢修
1959 年/日本/105 分/モノクロ/シネマスコープ
©KADOKAWA 1959
記事提供元:キネマ旬報WEB
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