“Jの聖杯”をめぐる戦いが次なるステージ突入。広島を加えた8クラブが準々決勝進出を懸けた“前半”に臨む【2025 JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド第1戦プレビュー】
JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンドを勝ち上がってきた7クラブとAFCチャンピオンズリーグ2 2024/2025に参加していたサンフレッチェ広島が参加するプレーオフラウンドが開幕。1stラウンド1回戦から3回戦までは一発勝負だったが、このプレーオフラウンドからは準々決勝、準決勝にあたるプライムラウンドはホーム&アウェイ方式での開催となる。
関東クラブ同士の激突となったのが、東京ヴェルディvs柏レイソルのカードだ。J1復帰2年目となる東京Vは今季も城福浩監督の下でアグレッシブなサッカーを貫いている。運動量や球際、切り替えの部分で相手を上回ることを徹底。昨季の主力も多く残り、今季こそはタイトル獲得を本気で目指すシーズンとなる。対する柏は今季からリカルド・ロドリゲス監督が就任。近年は堅守速攻のスタイルで戦ってきたが、スペイン人指揮官の下でポゼッションサッカーに変貌を遂げた。リーグ前半戦を終えて4位の成績は十分に評価できる数字だ。
3月29日の明治安田J1第7節で対戦した際はスコアレスドローに終わっている。そこから約2カ月ぶりの対戦。第1戦の舞台は味の素スタジアム。ホームで東京Vが柏のパスワークを飲み込んで先手を取るか、それともアウェイの柏が東京Vのハードプレスをいなし、アドバンテージを持って帰るか、スタイルのぶつかり合いに注目だ。
ヨドコウ桜スタジアムでは、セレッソ大阪と横浜FCが対戦する。ホームのC大阪は、今季からオーストラリア人のアーサー・パパス監督が就任。横浜F・マリノスで一時代を築き、Jリーグ制覇に導いたアンジェ・ポステコグルー監督の薫陶を受ける指揮官は“アタッキングフットボール”を掲げており、現在J1ではリーグ最多タイの30得点を奪うなど、その片りんを見せている。第6節の対戦で敗れた相手にきっちりとリベンジを果たし、ホームでの第1戦でリードを手にしたい。
一方、アウェイの横浜FCからすれば、リーグ戦のいいイメージをもって戦いたいところ。3月の対戦では山田康太と山根永遠のゴールで勝利。相手のパスワークに対して、連動した守備が機能して主導権を握った戦いができた。その当時から約3カ月が経過し、チーム全体としてもJ1のレベルに慣れてきているのは間違いない。前回対戦に続く“ダブル”を果たし、ホームでの第2戦にいい形でつなげたい。
ベスト電器スタジアムでは、対照的なチーム状況にあるアビスパ福岡とサンフレッチェ広島が顔を合わせる。ホームの福岡はリーグ戦で長いトンネルに迷い込んでしまっている。4月20日の第11節清水エスパルス戦以来、9試合勝利から遠ざかっている状況だ。やはり9試合でわずか4ゴールという得点力不足が最大の原因だろう。ただ、大会が変わり、カップ戦が浮上の契機になるのはよくあること。リーグ戦の成績は気にせず、気分新たにこの一戦に臨めるかどうかがポイントになりそうだ。
アウェイの広島はリーグ戦の前節で川崎フロンターレに敗れ、連勝は5で止まったが、チーム状態は良好そのもの。ミヒャエル・スキッベ監督体制4年目の今季も堅い守備は健在である。何よりも結果が大事なカップ戦において堅守は大きな武器なだけに、福岡の攻撃をシャットアウトし、万全な状態で圧倒的なホームの雰囲気に包まれる第2戦に備えたい。
J1vsJ2の構図となるのが、湘南ベルマーレとジュビロ磐田のカードだ。第1戦は湘南のホームであるレモンガススタジアム平塚で行われる。
リーグ戦で開幕3連勝と最高のスタートを切った今季の湘南だったが、徐々に失速して前半戦は16位で終えた。その要因の一つに考えられるのが、ホームでの勝率の低さ。4月6日の第9節名古屋グランパス戦に勝利した時点では3勝1敗と大きく勝ち越していたが、そこから2分け3敗と未勝利が続く。その意味ではホームで迎える第1戦で勝てるかどうかが、プライムラウンド進出の大きなカギとなりそうだ。
2年ぶりにJ2を戦う磐田だが、1回戦でJ3のFC大阪を下すと、2回戦ではJ1勢の清水エスパルスとの静岡ダービーを制し、3回戦でもJ1のガンバ大阪を延長戦の末に破って勝ち上がってきた。今季からチームを率いるジョン・ハッチンソン監督の下で築き上げてきたサッカーがJ1相手にも通用することは、すでに証明されているだけに臆せずに戦いたい。
まずは初戦、2試合合計スコアで雌雄を決する“前半”。4試合はすべて4日(水)の19時にキックオフを迎える。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。