「Windows 10終了」需要でPC出荷急増 2025年は過去最高の1,743万台へ【MM総研調査】
OSの更新需要が高まった2024年。国内のパソコン出荷台数に変化はあるのでしょうか。今回は、MM総研が発表した「2024年度(2024年4月~2025年3月)の国内パソコン出荷台数」の調査結果を見ていきましょう。

2024年度の国内パソコン出荷台数は1353.9万台で4年ぶりに増加


ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、「2024年度(2024年4月~2025年3月)の国内パソコン出荷台数」の調査結果を発表。
調査の結果、2024年度の国内パソコン出荷台数は1353.9万台と前年から25.7%増で、4年ぶりに出荷台数が増加したことが明らかになりました。
メーカー別の出荷台数シェアでは、「NECレノボ」が24.6%でトップにランクイン。次いで「日本HP」の17.3%、「デル」の14.4%と続いています。
また、出荷金額は前年度比32.9%増の1兆6512億円という結果に。平均出荷単価は12万1958円で、2023年度の11万5303円と比べて6655円の大幅な上昇となっています。
個人・法人別出荷台数シェア

次に、個人市場・法人市場の出荷台数シェアを見ていきましょう。
2024年度の個人市場は、前年度比3.7%増加の351.8万台となりました。メーカーシェアの順位は変わらず、20.9%の「NECレノボ」、16.0%の「富士通」と続いています。
出荷台数が増加した背景として、2025年10月のOS「Windows 10」のサポート終了に備えた更新需要が徐々に喚起されたことが挙げられます。2025年の新入学セールによる需要も高まり、2025年度も前年度比8.8%増加の382.7万台となる見込みです。

また、2024年度の法人市場は前年度比35.7%増加の1002.1万台という結果に。GIGAスクール需要を除く通常の法人市場は911.3万台でした。メーカーシェアの順位も変化はなかったものの、「Dynabook」が大きくシェアを伸ばしています。個人市場と同じく、大企業を中心に「Windows10」のサポート終了に備えた更新需要が市場をけん引しているようです。
2025年度のパソコン出荷台数予測

2025年度のパソコン出荷台数の見込みは前年度比28.8%増の1743.2万台となっており、1995年度のMM総研の統計開始以来、過去最高となると発表されました。その背景として、基本ソフト(OS)の更新需要、GIGAスクール構想向けの端末入れ替え需要が挙げられています。
今回の調査データから、今後も増加が続くと見込まれているパソコン出荷台数。しかし、AIやDXの普及によってどんどん高性能化されているため、パソコン自体の値段が高くなり、将来的にはパソコンの入れ替えが難しくなるかもしれません。
また、クラウドソフトウエア利用料の値上げやセキュリティ対策強化などのパソコンに関わる費用の上昇も目立っており、法人だけでなく個人利用においても、費用面の負担が大きくなっています。OS更新など重要なセキュリティ対策が後手に回らないよう、国や各業界からの法人・個人に向けた施策を期待したいところです。
出典:【株式会社MM総研】
※サムネイル画像は(Image:「Amazon」より引用)
記事提供元:スマホライフPLUS
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