“楽しい”から“悔しい”へ 竹田麗央、全米2位で見えた変化「優勝できる自信があった」
<全米女子オープン 最終日◇1日◇エリン・ヒルズGC(ウィスコンシン州)◇6829ヤード・パー72>
首位と2打差の3位から最終日をスタートさせた竹田麗央は、3バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「72」。今季メジャー2戦目は、悔しい2位フィニッシュとなった。
この日は渋野日向子とのペアリング。「日ごろからやさしい先輩なので、最終日に回れるのは楽しかった。ラウンド中も気さくに話しかけてくれたので、緊張している部分も、そのおかげで和らいだかなと思う」と、その存在に助けられたと語った。
序盤の2番パー4でバーディを先行させたが、5番でまさかのダブルボギー。ティショットは、スタンスを取りづらいバンカーの縁にあるラフへ。「レイアップしようと思ったけれど、上手く当たらずに、戻ってきてしまった」。さらにボギーパットもカップに嫌われ、痛恨の“+2”となった。
メジャーでの優勝争い中のダボとなれば、失速の引き金にもなりかねない。それでも竹田は後半、11番と14番でバーディを奪い、自力で流れを引き戻した。
思えば、2日目の最終18番でもダブルボギーを叩いて悔し涙を浮かべたが、その翌日、3日目のスタートホールでイーグルを奪うなど、4日間を通じて“叩いても崩れない強さ”を見せ続けていた。
「コースも難しいし、切り替えて残りのホールを頑張ろうと思っていました」。ミスのあとすぐに立て直す対応力は、間違いなく今大会での大きな収穫だった。
昨年大会は9位フィニッシュで「楽しかった」と振り返っていたが、今年は違った。「去年に比べたらだいぶ自信がついているし、それからもたくさんいい経験ができた。今年は優勝できる自信があったので、悔しい」。2位という好成績にも納得しないのは、それだけ成長を実感している証しだ。
今年から米ツアーに本格参戦し、3月の「ブルーベイLPGA」で早くも通算2勝目を挙げるなど、トップ10常連の活躍を見せている。日本ツアー年間女王の実力は、アメリカの舞台でも着実に浸透してきた。
そんな中で訪れたメジャー制覇のチャンス。「どこか緊張してたのかも」と振り返る序盤は、ティショットが左へ行く場面も。「そこはもうちょっと早く気づけたら良かった」と修正を加えながらの戦いだった。
「今回はいい経験ができた。自分がこういう(プレッシャーのかかる)状況になったとき、どういうショットが出るか分かった。また次のチャンスが来た時に、それを生かせるように頑張りたい」。この悔しさを晴らす場所は、やはりメジャーしかない。(文・齊藤啓介)
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