SNS炎上で“もう買わない”51.4% 企業に致命傷を与える投稿の正体【RCIJ調査】
企業のSNSリスクが消費者行動に直結する時代。一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)の調査によれば、従業員の不適切なSNS投稿による炎上が、企業のブランドイメージや売上、採用活動にまで影響を及ぼしていることが明らかになった。今回は、その実態と企業が取るべき対応策について見ていこう。

SNS炎上がもたらす企業への深刻な影響はイメージダウンにとどまらない

一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)は2025年5月16日〜5月18日の3日間、全国20代~60代の男女一般生活者307名を対象に企業の従業員によるSNS投稿炎上に対する印象・行動変容について調査を実施。まず、企業・団体の従業員・アルバイト、大学関係者(教授や学生など)が、不適切な内容(例:顧客の個人情報、職場の内部情報、不衛生な行為の動画、差別的な発言など)をSNSに投稿し炎上したケースについて、消費者がどのような印象を抱くのか尋ねたところ、全体の73.8%が「悪くなった」と回答した。消費者自身が直接的な被害を受けていなくても、企業全体への不信感が高まる傾向が見られた。
さらに注目すべきは、こうした炎上が購買行動にまで波及する点だ。普段から利用している、あるいは購入を検討していた企業において従業員の不適切投稿が発覚した場合、87.6%の人が購買行動を見直すと回答した。一度ネガティブな印象を持たれると、たとえ商品やサービスに直接問題がなくても、消費者の購買意欲は大きく損なわれることが明らかになった。
炎上が採用に直結?企業の姿勢が問われる時代へ

では、SNS炎上は採用面にどのような影響を及ぼすのだろうか。就職活動中または転職を検討している人に対し、従業員の不適切なSNS投稿による炎上があった企業へ応募することに対して、どう感じるか調査したところ、77.3%が応募をためらうと回答した。たった一人の従業員による軽率な投稿が、企業の将来を担う有望な人材を遠ざけてしまう危険性がある。人材不足が叫ばれる現代において、これは企業にとって大きな損失といえるだろう。
また、調査結果では炎上後の企業の対応によって、社会からの印象が大きく変わることも示唆している。「対応が真摯であったために印象が良くなった」と回答した人が42.9%いた一方で、「対応が後手に回り、かえって印象が悪化した」と回答した人は53.9%にのぼった。この結果から、炎上時の初動対応が企業の評価を左右する重要な要素であることも明らかになった。
現代の情報社会では、どの企業もSNS炎上のリスクと隣り合わせであることは間違いないだろう。問題が起きてから慌てて対応するのではなく、日頃から危機管理体制を整え、従業員へのSNSに関する情報リテラシー教育を徹底することが、企業のブランドと信頼を守るために不可欠であるといえる。
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)
記事提供元:スマホライフPLUS
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