小田香監督が沖縄の洞窟にカメラを向け、戦火の記憶に触れる「GAMA」
「Underground アンダーグラウンド」「セノーテ」の小田香監督が、沖縄戦で多くの住民が防空壕として避難し、生活し、また命を落とした自然洞窟《ガマ》をテーマに、当時の出来事を語り継ぐ男性ガイドの姿と合わせて紡いだ中編「GAMA」。沖縄慰霊の日(6月23日)に合わせ、6月21日(土)〜7月4日(金)にユーロスペースで、6月21日(土)よりシネ・ヌーヴォで、6月21日(土)と22日(日)に長野相生座・ロキシーで公開される。ポスタービジュアルと監督のコメントが到着した。
あるガマでは、集団自決により多くの命が失われた。またあるガマでは、米軍との対話を試み、多くの命が救われた。家族を失った人がいる。家族と再会した人がいる。
松永光雄さんはガイドとして語り続ける一方、ライフワークとして遺骨収集にも取り組む。その傍らで、青い服の女性《シャドウ(影)》がたゆたっている。波打ち際で珊瑚のかけらと戯れている。まるで現代と過去の交差を表すかのように。
そこへ轟音とともに米軍機が飛来するのだった──。
「Underground アンダーグラウンド」に繋がるシャドウ(影)を体現するのは、映画作家・ダンサーの吉開菜央。沖縄の記憶に触れる小田監督の映像世界に注目したい。
小田香監督コメント
じぶんは松永さんの言葉や、 ガマでの語りを聞きながら、ガマのなかで映画を撮りたいと思うようになりました。沖縄の地下の記憶を、その一部を、 松永さんのお力をかりて、映画にしたい。霊石になっていたかもしれない無数のサンゴや石、ガマの暗闇と継承されるべき記憶、 誰かに届けたいひとつの映画をつくることができると感じました。
「GAMA」
監督・編集・音響:小田香
出演:松永光雄、吉開菜央、山内平三郎、西原美喜絵、平隈千恵、田原美野
撮影:高野貴子
録音・テクニカルディレクション・グレーディング:長崎隼人
照明:平谷理沙
監督補佐・撮影助手・リサーチ:鳥井雄人
プロダクション・コーディネート:小田絵理子
プロデューサー:筒井龍平、杉原永純
企画:とよなかアーツプロジェクト・豊中市市民ホール等指定管理者 委嘱作品
製作会社:トリクスタ
製作:豊中市立文化芸術センター
配給:スリーピン
日本/2023/日本語/カラー/DCP/53分
© 2023 Toyonaka Performing Arts Center / trixta
記事提供元:キネマ旬報WEB
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