限界集落に“関わる人を増やす”挑戦 鳥取市佐治町で新たな地域コミュニティー「佐治DAO(仮)」がスタート
鳥取県鳥取市の南東部に位置する中山間地域にある佐治町は、人口約1500人、高齢化率50%超という課題を抱える町。一方で、「星(さじアストロパーク)」「和紙」「梨」「話(民話)」「石」の“五し”に代表される豊かな地域資源を備えている。
そんな星のきれいな里山の町への“関わりしろ”を増やしたいと、今年4月、新たな地域コミュニティー「佐治DAO(仮)」がスタートした。これは、地域おこし協力隊員を中心としたDAO(デジタルコミュニティ)で、地域住民と地域にゆかり・興味のある人=関係人口を創出していくことを狙いとしている。この仕組みは、札幌発のスタートアップである株式会社あるやうむが提供している。
このプロジェクトを立ち上げたのは、佐治町の地域おこし協力隊DAO・DAOマネージャーである鈴木匠さん。取り組みは始まったばかりで、これから具体的なプロジェクトを企画していくという。佐治町に住んでいる人もまだ訪れたことのない人も、気軽につながり町の未来を一緒につくっていける開かれたコミュニティーを目指している。鈴木さんは、「佐治DAO(仮)」の立ち上げに合わせて、音声プラットフォーム「Voicy」を通じた発信にも挑戦。佐治町に関わる行政職員やNPO関係者らと番組を作っていく予定だ。それぞれがどんな思いで地域づくりに取り組んでいるのか、どんな課題と向き合っているのか、佐治町という“限界集落のリアル”を生の声で届けることを目指している。
鈴木さんは、2024年に地域おこし協力隊として佐治町に移住。地域とデジタルの新たな接点を探ってくる中で感じたのは、「限界集落だからこそ見えてくるものがある」ということ。保育園が休園になったり、店もなくなったりしていく中で、「もう人口が増えることはないかもしれない。でも、それを理由に諦めるのではなく、“面白さ”をつくることで人との関わりは生まれる」と語る。そして、「関係人口を増やせば、この町が“存在する理由”が生まれる」として、地域内外の人が、誰でも無料で参加できるデジタルコミュニティへの緩やかな関わりを呼び掛けている。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。