秘境の家電修理人・今井さん!「私が生きてる限り使いたい…」30年物“お釜ドライヤー”直るのか!?:所さんのそこんトコロ
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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金曜夜8時からは、「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」を放送。
「テレ東プラス」では、5月9日(金)に放送された放送内容の一部をプレイバックします。
【動画】秘境の家電修理人・今井さん!美容師親子愛用、30年物“お釜ドライヤー”の修理に挑む
“秘境の修理人”こと今井和美さんの仕事に密着!
これまで3万点以上の家電を直し、メーカーに断られた古い家電も蘇らせてきた今井さん。仕事場は三重県の秘境にもかかわらず、全国から依頼が殺到! 山奥までやって来る依頼者たちは、どんな思いを抱え、何を直してほしいのでしょうか。

今回の依頼人は、静岡・掛川市で50年以上続く美容室を営む水野さん親子。約30年前に購入したスタンド式の"お釜ドライヤー"を修理してほしいと、車で4時間かけて今井さんのもとを訪ねました。
ドーム型のヘッドを頭にすっぽりかぶせて、髪全体をムラなく乾かせるお釜ドライヤー。2年ほど前から何度もスイッチを押さないと動かなくなり、修理してくれる業者も、正常に動く中古品も見つからなかったといいます。

このドライヤーでしか再現できないヘアセットもあるため、お店にとってはなくてはならない道具。開店当初から通い続ける90歳の常連さんのヘアセットにも欠かせず、「『これが動いてくれれば幸せ』と、手を合わせて祈る方もいる」と水野さんは話します。
多くの人に愛され、信頼されてきたお釜ドライヤー。完全に壊れてしまう前に、どうしても直したい! 水野さん親子は、その思いを今井さんに託しました。

なんと今井さん、ドライヤーをひと目見ただけで、故障の原因がスイッチの接触不良だと見抜きました。水野さん親子がその日のうちに持ち帰れるよう、すぐさま修理に着手します。はたして、蘇らせることはできるのでしょうか。

本体を開けて中を見てみると、内部にはホコリがびっしり。このままでは点検すらできないため、まずは掃除機で溜まったゴミを一気に吸い取ります。
続いて、スイッチ類が集まった操作部分を本体から取り外し、基板をチェックして詳しく原因を探ることに。起動スイッチの抵抗値をテスターで測ってみると…

やはり、今井さんの読みは的中。スイッチ内部で電気の流れがうまくいかず、作動しにくくなっていたのです。確認してみると、すべてのスイッチで同じ異常が見つかりました。
ところが、ここで問題発生。使われているスイッチ類は、このドライヤー専用の特注パーツ。さすがの今井さんでも、まったく同じ形の部品は手元にありません。取り寄せるのも難しく、一気に大ピンチに!
そこで今井さんは、スイッチを細かく分解して不具合の根本を探ることに。中を丁寧に確認したところ、原因と思われるのは、びっしりとこびりついた30年分のサビ。これが接触不良を引き起こしていたようです。

代わりの部品が手に入らない今、できるのはひたすらクリーニングすることのみ。今井さんは起動スイッチの内部を丁寧に磨き上げ、スイッチを元の形に戻します。
すると起動スイッチに電気が通り、ひと安心。
その後も同じ工程を繰り返しながら、すべてのスイッチを一つずつメンテナンス。最後に本体も隅々までチェックし、元通りに組み立てます。
修理開始から約2時間半、すべての作業が完了し、いよいよ動作確認!

これまで何度も押さないと反応しなかったスイッチが、1回でしっかり作動しました! 30年の時を経たドライヤーが、見事に蘇った瞬間です。

大切なお釜ドライヤーが蘇り、水野さん親子は大喜び。今井さんもおしゃれにヘアセットしてもらい、いつも以上に男前に!
今回の修理代金は2万6000円。今井さんと水野さん親子の熱い想いが込められた、心温まる家電修理となりました。
記事提供元:テレ東プラス
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