「はっ! 優勝だ」 西郷真央、メジャー初制覇の裏に“二段階の喜び”【カメラマン南しずかの米ツアー小話】
畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、2025年は過去最多となる日本勢13人が出場する米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のこぼれ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
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「シェブロン選手権」を制した2日後。「ブラックデザート選手権」の会場で、西郷真央が印象に残っているプレーを振り返ってくれた。「正規の18番ホールのバーディパット、プレーオフのバーディパット。あの2つは一生忘れないかな」。“あんなに緊張することある?”と言うほど、過去最高のプレッシャーだった。
正規の18番のバーディパットは、3メートルの上りのスライスライン。入れればプレーオフ進出、というプレッシャーの中、しっかり打って、決め切った。自己評価100点の完璧なパットだった。
プレーオフは西郷を含めて5選手で競った。バーディパットは1メートル。「ほかの選手は(打つ)準備ができていたのか、自分の番になるのを待機してました。私だけ、ずっと動きまわってラインを読んでいた気がします(笑)。決めきって打たないといけないと思ったので、私は全方向から(ラインを)見ました」。
緊張のあまり手足がプルプルと震えていたが、打つ前は心を落ち着かせた。「目の前のパットに集中しすぎて、入った瞬間は、入ったことに対して『よし!』ってなりました。(ボールをカップから)拾って、『はっ! 優勝だ』と二段階で喜びがこみ上げてきました」。キャディのスノー氏とハグをかわしたことで、ますます感情がこみ上げ、歓喜の涙があふれた。
メジャー制覇を遂げても、練習を欠かさない。火曜日の夕方、選手ミーティングの時間ギリギリまでゴルフ場で練習に励んでいた。(取材・文/南しずか)
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