映画史に残る名作を大スクリーンで見る喜び 丸の内TOEI『昭和100年映画祭 あの感動をもう一度』 いよいよあと8日!
昭和100年にあたる今年2025年、7月27日(日)に閉館する東映最後の直営館・丸の内TOEIにおいて、昭和の時代を彩った名作・話題作42本を一挙上映する『昭和100年映画祭 あの感動をもう一度』が3月28日(金)より絶賛開催中だ。
上映作品は、「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」「人情紙風船」「鴛鴦歌合戦」「羅生門」「東京物語」「ゴジラ」「二十四の瞳」「キューポラのある街」「昭和残侠伝」「天国と地獄」「黒部の太陽」「男はつらいよ」「仁義なき戦い」「砂の器」「犬神家の一族」「八甲田山」「影武者」「遙かなる山の呼び声」「探偵物語」「南極物語」「火垂るの墓」「釣りバカ日誌」などなど、東映作品に限らず、松竹、東宝、KADOKAWA、日活をはじめとする映画会社、制作会社が自社の作品を提供し、映画会社・制作会社が一丸となって「昭和」を代表する名作・話題作を上映する、かつてない特集上映企画である。
開催期間は5月8日(木)までで、残すところあと8日になった現在、丸の内TOEI副支配人の石垣衣沙さんに『昭和100年映画祭』の盛況ぶりを聞いた。
──これまでの感触はいかがでしょうか。
「丸の内TOEIはコロナ禍以降、旧作の特集上映もたびたび行ってきましたが、これまで以上によくいらしていただいています」
──上映作品が「昭和の映画」ということで観客層はやはり年配層が多いですか。
「昨年開催した高倉健さんの特集からおなじみの年配のお客さんも多いのですが、毎日通ってくださっている10代、20代の学生の方もいらっしゃって、今回の客層は幅広いです」
──若い人というのは、やはり映画ファンですか。
「そうですね。この映画を映画館で見たかったという映画ファンの学生の方や、加えて親子連れの方も少なくないです。息子さんがお母さんのために『黒部の太陽』を連れてきた、とか、お母さんが娘さんに『火垂るの墓』を見せたい、とか。娘さん、お母さんと三代にわたる家族連れ、若い頃にデートで見に来た映画をもう一度見に来られた年配のご夫婦とか。今回は東映作品だけではないので、これまで東映作品に縁がなかったお客様の層も見られて、上映作品によっていろいろと変わっています。
また、東京や東京近郊だけでなく地方からのお客様もいらっしゃっています。中には広島からいらした方がいてたいへん驚きました。ありがたいことです」
──そんな中で人気のあった作品は?
「『黒部の太陽』や『八甲田山』といった大スクリーンならではの大作や、黒澤明監督の『羅生門』『天国と地獄』『影武者』はやはり強いです。小津安二郎監督の『東京物語』や木下惠介監督『二十四の瞳』といった名作も安定的によくいらっしゃっています。Netflixの新作があったからなのでしょう、『新幹線大爆破』も人気がありました」
──SNSの書き込みを見ると、映画に感動した人たちが「東映さん、この映画を上映してくれてありがとう」という言葉をよく見かけます。
「場内のアンケートでも『タイトルは知っていたけど、この機会に見たらすごくよかったです』とか『大スクリーンでこの名作を見られて感動しました』という言葉をいただいています」
映画史にさん然と輝く名作でも見られなければ存在しないに等しい。この名作群の鑑賞のきっかけをつくり、大スクリーンという最高の場を提供することで、東映作品のみならず、日本映画各社の名作を“甦らせた”丸の内TOEIの功績は大きいだろう。
5月1日(木)以降に上映される作品は以下のとおり。
「南極物語」(83)、「お葬式」(84)、「駅 STATION」(81)、「昭和残侠伝」(65)、「釣りバカ日誌」(88)、「ビルマの竪琴 総集篇」(65)、「二百三高地」(80)、「火垂るの墓」(88)、「大魔神」(66)、「ゴジラ」(54)、「幻魔大戦」(83)、「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(78)、「新幹線大爆破」(75)。
また、最終日5月8日(木)の「南極物語」(18:00~)は、上映前に角谷優プロデューサーの舞台挨拶が予定されている。本作を成立させるために角谷氏が奔走した、聴くも涙、語るも涙の製作苦労話は必聴、映画鑑賞とあわせて聴くと感動が倍増すること間違いなし。
詳しくは、丸の内TОEIまで
また劇場では、「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」プログラム(キネマ旬報社・編)が絶賛発売中。
上映作品全42本を1作品・1ページで詳しく解説しているほかに、本特集上映の企画者・多田憲之東映取締役会長のインタビュー、評論家・川本三郎氏による昭和の映画館にまつわるエッセイ、そして昭和元年(1926年)から現在(2024年)までのキネマ旬報ベスト・テン(日本映画)をすべて収録。66ページ、1540円(税込)。丸の内TOEIとKINEJUN ONLINE SHOPでの限定販売なので、お買い逃しなく!
そして、5月9日(金)からは丸の内TOEIの最終フィナーレ「さよなら丸の内TOEI」がスタートする。64年10カ月の歴史を持つ丸の内東映で上映された映画の中から、映画史に残る名作や最新の話題作まで約80作品をセレクトして上映する。こちらも見逃がせない!
制作=キネマ旬報社
記事提供元:キネマ旬報WEB
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