大阪万博開幕初日に「週刊プレイボーイ」記者が発見! 大阪・吉村知事の"表情が曇った瞬間"
万博初日は約12万人が来場。入場口がふたつしかなく、入場ゲートは相当な人だかりに
4月13日、大阪・関西万博がついに開幕! 早速、『週刊プレイボーイ本誌』記者も現場にGO! で、正直に感想を言うと悪天候や人混みなど初日はマジでいろんな意味でキツかった! 万博を前のめりにアピールし続け、当然初日に参加した吉村洋文大阪府知事の表情も......? 万博のリアル(?)な実態をお届けします!
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■「並ばない万博」って言ってたじゃん大阪・関西万博(以下、万博)の初日、2日目に『週刊プレイボーイ本誌』記者が突撃! 取りあえず驚いたのは行列の長さ。万全の予約システムを導入するなどして、「並ばない万博」の実現を掲げていたはずなのに。
まず、JR桜島駅から会場西ゲートまでのシャトルバス乗り場が大混雑している。前日に専用IDを作成し、バスチケットを予約しているにもかかわらず、長蛇の列でバスに乗り込むまでに40~50分もかかってしまった。
ようやく西ゲートに到着したものの、ここでもやっぱり大行列が。手荷物検査などもあって遅々として進まない。
しかも、混雑による通信障害でスマホ内の電子チケットが表示されないというトラブルが発生し、1~2時間もゲート前で足止めを食らうケースもあったようだ。
そんなとき、不機嫌な表情を浮かべる家族連れを発見。父親がこう怒りをぶちまける。
「ようやく入場できると思ったら、係員から『入場できない』と言われました。私たちのチケットは東ゲート用で、西ゲートからの入場はできないと言うのです。長い間待ったのだから、入れてくれたらいいのに。ケチやと思います」
入場後、最初に向かったのは万博シンボルの大屋根リング。開幕初日の正午から航空自衛隊ブルーインパルスによる展示飛行が予定されていた。
このブルーインパルスを大屋根から見物しようと考えたのだけれども......大屋根の上も黒山の人だかり。おまけに朝からの雨が強くなったこともあって、みんなわれ先にと傘を差すため、押し合いへし合い状態になっている。
大屋根リングは強い風のせいで雨よけとしてはほぼ機能せず。屋根の下でも傘を差す人が多かった
そんな中、見知った顔を発見。吉村洋文大阪府知事だ。どうやら、吉村知事もまた、初日の目玉イベントとなるブルーインパルスの飛行を見届けようと、大屋根にやって来たらしい。
だが、肝心のブルーインパルスが予定の時刻になっても飛来しない。天候不良のため、展示飛行の中止のアナウンスが流れたのはそれから40分近くが過ぎた後だった。雨の中、ブルーインパルスを待ちわびた大屋根の群衆から大きなため息が漏れる。
ブルーインパルスの特別フライトを見ようと大屋根リングの上に集まる群衆。その中に吉村洋文大阪府知事もいた。しかし、フライトは悪天候で中止に
吉村知事の表情がにわかに険しくなったのはその直後のことだった。周囲にいるお供の職員らに何やら強い口調で話しかけている。長い行列に目玉イベントの中止と、初日からトラブル続きの万博に思わず不満を爆発させてしまったのだろうか?
その後、吉村知事はそそくさと大屋根から地上へと退席してしまった。
■休日に行くときは弁当を持参しよう気がつくと、すでにお昼時を過ぎている。空腹を感じ、レストランを探した。だが、会場内のレストランはどこも満杯で、1~2時間待ちの札ばかり。回転ずしのくら寿司に至っては午前中から客が押し寄せ、正午前には予約しても「8時間待ち」という状況になっていた。
そこで会場内での食事は無理と判断し、一時退出。夢洲駅から2駅離れたトレードセンター前駅にあるアジア太平洋トレードセンター(ATC)のフードコートへと移動することに。万博は当日中は再入場が可能だ。
しかし、甘かった。『週刊プレイボーイ本誌』記者と同じ考えの入場者が多かったからか、ATCもかなりの人だかり。フードコートのテーブルを確保し、食事にありつけたのは2時近くのことだった。万博は弁当を持参するに限る。
結局、初日に入館できたパビリオンは「ドイツ館」「よしもと館」「パソナ館」の3つだけだった。しかも、いずれも長蛇の列で、やっと入館できた頃にはだいぶ気力がそがれている。
正直に言おう。例えばドイツ館は環境問題や循環型社会を、パソナ館はiPS細胞がもたらす未来の医療を真正面から取り上げている。いずれも見応えがある。だが、これだけ疲れてしまうと、せっかくの展示内容も頭に入ってこない。できれば、万全のときにちゃんと見学したかった。
会場内に居合わせた60代男性もこう苦笑していた。
「とにかく人が多くて疲れた。食事もテーブルが足りずに、注文したラーメンは立ったまま食べるしかなかった。見学できたパビリオン? エジプト館とコモンズ-B館(数ヵ国が共同で出展する海外パビリオン)とアレ、もうひとつなんやったかな? オーストラリアやったかな? 忘れました(笑)」
極めつきは妻と5歳児の3人家族で来場したという40代男性のこんな発言。
「パビリオンにはひとつも入館できませんでした。この雨の中、行列は無理。結局、フードコートで家族3人、一緒にたこ焼きを食べただけで終わりでした(笑)」
■行くべき時を見極めるべしただ、工夫次第で万博はかなり楽しめそうだ。そう実感したのは取材2日目(14日・月曜)のこと。
この日の天候は晴れ。しかも約12万人の入場者が押し寄せた初日と違い、半分の5万1000人ほどで、多少の待ち時間はあれど、ほとんどの施設がスムーズに利用できた。
大人気で初日に2時間待ちの札が出た1杯3850円の「究極のえきそば」も即ありつけた。万博は休日・祝日を避け、来場者の少ない平日に楽しむのがよい。
これだけ来場者が少ないと、事前予約していなくても目当てのパビリオンに入館できたりもした。万博のパビリオンは予約必須のものが多いが、当日の入場者数を見て、当日観覧の整理券を配布することもある。
予約がなくてもパビリオン前に行けば、その場で整理券をゲットしたり、QRコードからキャンセル待ち予約を入れたりできるケースもあった。実際、2日目には事前予約なしでも「null2」は当日観覧整理券で、「いのちの未来館」はキャンセル待ち予約で入場できた。40代女性もこう顔をほころばす。
「2日目は10ものパビリオンに入館できました。一番楽しかったのはなんといってもガンダム館(GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION)! この展示見学だけで入場料の元は十分に取れました!」
中には13ものパビリオンを体験したというつわものも。
「どこもすいていた。予約もスムーズでした。印象に残ったのは『いのちの未来館』でのアンドロイド。イベントも魅力的で、ウォータープラザで開催される夜の水上ショー『アオと夜の虹のパレード』は必見です。光、音、噴水の迫力もすごいけど、直後の1000基のドローンが織り成す空中ショーには見とれてしまいました」(60代男性)
ウクライナ、イスラエルなど、紛争のさなかにある海外パビリオンの展示も見応えがある。例えば、ウクライナ館では展示品のバーコードを専用端末で読み込むと、戦禍にある人々の暮らしを映した映像が流れ、ウクライナの現状がわかる仕掛けとなっている。大阪からウクライナの平和に思いをはせるのも悪くない。
インド、ネパール、ブルネイ、ベトナムなど、オープンが遅れている海外パビリオンの様子を見て回るのも一興かも。電気コードが散らばったまま、職人らしき人がのんびりと工事をしているインド館など、そのたたずまいや仕事ぶりを見るだけでも各国のお国柄が見てとれる。これもまた貴重な異文化体験だろう。
「目立たないけど、各コモンズ館が面白い。それほど混雑していないから、現地スタッフとおしゃべりできるし、写真も一緒に撮れるし。世界を旅行した気分になれますね」(20代の女性3人連れ)
さまざまなツッコミどころがある万博だけど、行ってみる価値は確かにある。ただ、休日の人混みはヤバイし、雨の日は春であることを忘れるほどの寒さ。夏になれば逆にすさまじい暑さに見舞われるだろう。ということで、早めに、できれば晴れの平日に行くことを強くオススメしたい。
取材・文/ボールルーム 撮影/榊 智朗
記事提供元:週プレNEWS
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