渋野日向子が暗闇バーディ締め「見えん(笑)」 今季メジャー初戦で予選通過
<シェブロン選手権 2日目◇25日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6911ヤード・パー72>
グリーンを囲むテントの明かりが頼りだった。渋野日向子が暗闇の中、残り100ヤードから50度ウェッジを振り抜き、それが2メートルについた。どちらに曲がるのか。上りなのか下りなのか。「遠目から見ても難しい感じ。もう決めるしかないと思った」。そんな祈りを込めた一打が、カップの真ん中から決まり、“暗闇バーディ締め”。「見えん方がいいですね、マジで(笑)」。明るい笑顔が輝いた。
霧の影響で競技開始が1時間30分遅れ、最終組からひとつ前の渋野の組は、現地時間午後3時9分ティオフだった。日没は午後7時55分で、回り切れるかは微妙な状況。「みんながマークしているとき、自分はボールを置いてめちゃくちゃ早くやっていた」と“完走”を目標に掲げてプレーした。
カットライン上の61位から出た2日目は、3パットのボギー発進。5番でもカラーからの3パットで落とした。「すごくしんどかった」という序盤の流れを変えたのは、10メートルほどのロングパットを決めた6番からの3連続バーディ。「ポンポンポンってきてくれて、なんとか流れを断ち切れた」と安定したプレーに転じた。
実測167ヤードの7番パー3では、7番アイアンで放ったショットが「きょうイチ」というホールインワン寸前の一打に。「入っちゃえば良かったのに(笑)」という会心ショットは、昨年からの成長を感じた一打だった。
「今までだったらユーティリティで打っていた距離を7Iで打てた。すごくうれしかった」。今季はしっかり振れていて、飛距離が伸びていることも実感。そして8番パー5での2オン・2パットのバーディにつなげた。
後半はチャンスを作り続けるも、12番で3パットのボギー。それでも隣のフェアウェイを横切るシカの家族を見つけてキャディに話しかけるなど、心の余裕を感じさせた。「前半の方が緊張してたかな。最後のほうは、『やばい、早く回らなきゃ』って気持ちの方が強くて、逆にリラックスできました」と話す。
トータルイーブンパー・暫定40位タイで予選通過は確実。「最低限のレベルをクリアできて良かった」。3試合連続予選落ち(マッチプレー含む)で臨んだメジャー初戦。大舞台でやはり強さを発揮した。
「練習もすごく振れてましたし、きょう飛びそうな感覚はあった。パターが決まってくれればかな~とは思ってた。ショットは最後まですごく良かった。パッティングが今、悩みどころではあるけれど、それだけパッティングにフォーカスできるっていうのは、ショットが良くなった証し」
決め切れなかったパターを悔やむも、今季ここまで何度も課題として口にしてきたショットに胸を張る。「あしたはもっとバーディを獲れるように。まだまだ上位にいけるチャンスがあると思うので頑張ります」。代名詞でもある強気のパッティングが戻れば、ビッグスコアも期待できる。(文・笠井あかり)
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