今年は昭和100年! 日本人の幸福度や価値観はどう変化してきた?
4月29日は昭和の日。1925年から始まった昭和は、平成、令和と改元しなければ2025年の今年は「昭和100年」になるのをご存じだろうか。博報堂のシンクタンク「博報堂100年生活者研究所」は4月29日の昭和の日に合わせ、20~80代の男女2800人を対象に、過去100年間の幸福度や価値観への評価についての調査を実施した。この調査は2025年2月にインターネットで行った。
その結果、日本人の幸福度(推定・10点満点)は1950年代から上昇傾向にあったものの、バブル景気の80年代をピークに現在まで低下傾向にあり、今後も同様の傾向が続く、と考えられているという。また、日本人の価値観についての評価では、2000年代までは主に「家族とのつながり」「仕事」「経済的な安定」の3つを重視、2020年代からは変化し、主に「多様性」「自分らしさ」「柔軟な働き方」を重視するようになったと考えられていることがわかった。
まず、年代ごとに、日本人がどの程度幸せだったか(幸せになるか)を、「とても不幸せ」を0点、「とても幸せ」を10点として、それぞれ何点くらいになると思うかを聞いてみた。1920~2040年代の日本人の幸福度を10点満点で評価して、最も幸福度が高いと考えられたのはバブル景気が始まった1980年代で6.2点、最も低いと考えられたのは太平洋戦争のあった1940年代で3.97点。幸福度は1980年代をピークに2020年の現在まで低下し、2040年代まで低下傾向が続くと考えられている。
次に、年代ごとに、日本人が重視していたこと(重視するであろうこと)を聞くと、最も幸福度の高かったと考えられている1980年代は「仕事(44.0%)」「家族とのつながり(37.4%)」「経済的な安定(37.4%)」がトップ3となり、この傾向は2000年代まで続いている。しかし1980年以降、「仕事」を重視する度合いは急激に低下。また、コロナ禍を経験した2020年代に、日本人が重視することは大きく変わり、「多様性(31.6%)」「自分らしさ(31.0%)」「柔軟な働き方(29.8%)」がトップ3となった。新型コロナウイルス感染拡大によって、「新しい生活様式」が強調されていたが、行動だけではなく生活者の意識もコロナ禍をきっかけに変化したようだ。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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